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【業界動向】

AOL Time Warner、12兆円近い巨額損失を発表
~Turner副会長は引責辞任

■URL
http://www.aoltimewarner.com/investors/quarterly_earnings/2002_4q/release.adp
http://media.aoltimewarner.com/media/press_view.cfm?release_num=55253003

辞任するTed Turner副会長
 米AOL Time Warnerは29日に2002年第4四半期、および2002年通年の決算報告を発表した。

 決算によれば、2002年の年間売上高は411億ドルで、2001年の385億ドルから7%増加した。America Online事業による収益は前年を下回ったものの、CATV事業やネットワーク事業が好調だったことが収入増につながった形だ。年間EBITDA(金利・税金・償却前利益)もAmerica Online事業以外の各事業で2桁の成長となり、2001年の86億ドルから5%上昇し、91億ドルに達した。

 しかし今回、増収を上回る巨額の損失も明らかとなった。報告によれば、第4四半期において、株価の下落により449億ドルの損失を計上。これに加えて、整理事業の損失などが加わり、2002年末での純損失は987億ドル、日本円にして約11.7兆円に達したという。AOL Time Warnerは2001年1月のAmerica OnlineとTime Warner(いずれも当時)の合併を行なったため、米国の会計基準である「FS142」という規定(企業は合併後は毎年減損計算を行ない、減損が認められる場合は即座に損失計上する)に従う必要があった。また同社の株価は、2001年1月の50ドル前後から、2002年9月には10ドルを割り込むまで下がり、現在も十数ドル付近で推移する状態となっていた。こうしたことから、11兆円以上にも上る巨額損失の計上となった。損失額としては米産業市場最大規模という見方が強い。

 AOL Time Warnerでは2004年末までに累積債務を約200億ドルまで減らすことを計画している。また同29日、米CNNの創業者でもある同社のTed Turner副会長が、5月に辞任することを明らかにした。先にStephen Case会長の5月辞任も発表しており、AOL Time Warnerでは次期会長のDick Parsons氏のもと、経営陣を刷新して建て直しを行なう形となる。

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(2003/1/30)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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