【セキュリティ】
「Slammerは全世界で40万台に感染」~NACの1月度ウイルス調査にて■URL 日本ネットワークアソシエイツ株式会社(以下、NAC)は6日、2003年1月におけるウイルスの届出状況を発表した。発表では、ウイルス「Slammer」についての詳細な予測などが述べられている。 2003年1月度の届出数1位は「W32/Klez.h@MM」で278件、2位「JS/NoClose」が119件、3位「VBS/Redlof@M」99件と続いている。Klezは、1位の「W32/Klez.h@MM」、5位「W32/Klez.eml」、6位「W32/Klez.rar」も併せると届出数422件となり、NACの調査においても大部分を占めていることが分かる。 今回の発表で興味深いのは、1月25日に発生したウイルス「Slammer」に関するNACの独自調査報告だ。調査報告によると、「Slammerによる全世界での感染数は40万台に上り、世界中のネットワークを遅延させ、アジアにおいてはネットワークをダウンさせた」としている。 このように世界的には驚異的な増殖を見せたSlammerだが、日本においては約20件の問い合わせがあったものの、感染の報告は確認されていないという。NACが26日午後から27日朝にかけて、同社のSnifferで管理するサーバーを解析した結果でも、観測されたSlammerの通信は10カ所のみだった。一方、NACの一部パートナー企業では頻繁にSlammerによるパケットが届いたという報告もあるという。このことから、企業によってSlammerパケットの到達数は相当のばらつきがあったとNACは推測している。 また、NAC技術統括部長の加藤義宏氏は日本での被害が大きくなかった点について、「通常データベース管理者は、パッチが提供される度に導入することを非常に手間がかかるため行なわないケースが多い。それは、その都度検証しなければならないからだ。従って、サービスパックを待って導入することが多い。今回の脆弱性に対するパッチが提供されたのは2002年の7月だが、サービスパックが出たのは2003年1月だ。このため、Slammerが発生した1月25日までに導入しきれなかったSQLサーバーが相当数あったと推測できる。それでも日本で被害が少なかったのは、ファイアウォールが効果を発揮したからだろう」と見解を述べている。 (2003/2/6) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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