【ユビキタス/業界動向】
既存家電の遠隔操作実験も計画東急不動産と日立、地域コミュニティ支援の
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ライフサポートシステムのサイトイメージ |
ライフサポートシステムは、自治体、商店、イベントといった地域情報をはじめ、家族の予定を登録するカレンダーや施設のオンライン予約など、地域の暮らしに役立つ機能をまとめて提供することで地域コミュニティを支援するサービスとなる。システム提供地域に東急不動産が新たに建売分譲する住居には、日立製作所の無線LAN対応タッチパネル端末「FLORA-ie 55mi」を標準装備。液晶一体型の取り外し可能な本体とクレードルで構成されたこの端末は、持ち運んでリビングやキッチンなど家庭の好きな場所で利用できる。これをホーム端末として提供することで、ライフサポートシステムの利用を促進していく。
今回、同システムの導入第一弾として、東急不動産が開発を行なっている千葉県千葉市緑区の「あすみが丘」地区、および「あすみが丘東地区」を対象とした試行サービスを展開する。試行サービスでは地元のNPO法人「すこやかネットみどり」が協力してサイト運営を行ない、新鮮な地域情報を常時提供するほか、PCの利用サポートなども行なっていく。また学校や商店など地域の企業・団体が情報発信できるコーナーも設け、活発な情報交流を通じて、地域コミュニティの活性化を図る。3月にサイトを開設、4月に本稼動を予定している。なおサイト自体は通常のPCからもアクセス可能で、会員制はとるものの、ホーム端末利用者以外にも広く活用してもらいたいという。なおライフサポートシステムは将来的には有料化を目指しているが、試行サービスの初年度は無料で提供し、サービスを通じて料金体系などを検討する方向だ。
東急不動産ではこのシステムにより「これまでの“家”というハード面だけでなく、“くらし”というソフト面の充実で街全体の魅力を高めるほか、住民と共同した街づくりを目指す。また日立製作所では「FLORA-ie 55mi」の提供などで同システムを支援していく。また赤外線リモコン機能を持つホームサーバー「Webリモコン」(仮称)を用いた既存家電の遠隔操作、無線LAN対応のネットワークカメラ「Kakashi」を用いた自宅監視などの試行実験も計画しており、今後のユビキタスネットワーク時代に対応したIT機器の機能強化を図る方向だ。
情報端末「FLORA-ie 55mi」と、遠隔操作デモ中の家電類(左)。「FLORA-ie 55mi」は通常Midori Linuxを搭載しているが、今回のサービスではWindows 2000を搭載して提供。右はPDAでエアコンを遠隔操作する画面 | |
ホームサーバー機能を持つ手のひら大のWebリモコン(左)。ITRONを搭載し、ADSLモデムなどに接続して利用する。無線LAN対応ネットワークカメラ「kakashi」(右)ともに、今年中に発売される予定 |
(2003/2/14)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]