【調査結果】
JavaScriptとDOMの実行速度ではIEが最速?
Operaとの間に大きな開き
■URL
http://sec.greymagic.com/dagon/results.html
イスラエルのGreyMagic Softwareが、複数のブラウザーでJavaScript(ECMAScript)とDOMの実行速度を比較するベンチマークテストを公表している。このベンチマークは実験的なもので、使用されたベンチマークプログラムも公表されていないが、レンダリングエンジン以外の実行速度を比較する上で参考となる結果だ。
テストではDOMとJavaScriptの一部の命令に関連する合計29項目のベンチマークとがとられた。比較の対象となったブラウザーは、Windows NT4 Workstation上で動作するIE5.5、Mozilla1.3b、Opera7.01。さらにJavaScriptに関しては、JavaScriptを実装しているFlash6の結果も参考として掲載された。テストの数字は1000分の1秒単位となっている。GreyMagicが最新のIE6ではなくIE5.5を使用した理由については、「互換性を確保するための技術的な問題だった」としている。
最も速かったのはIE5.5で、29項目のうち計19項目で首位を獲得した。次いでMozilla1.3bが7項目、Operaが3項目、Flash6は0項目だった。分野別に比較してみると、DOMに関するテストではIE5.5が10項目、MozillaとOperaが1項目ずつなった。Mozilla1.3bはIE5.5に比べて若干遅い数値が出ているものの健闘しているが、Operaに関してはIE5.5と大幅に開きがあることがわかる。最悪の場合、DOM関係の実行速度でOpera7.01は、同じ命令を実行するためにIE5.5の335倍の時間を必要とした。
GreyMagicではOperaの実行結果について、「Operaは非常に効率的なレンダリングエンジンを持っているが、DOMのパフォーマンスはとても貧弱なもので、明らかにJavaScriptのエンジンは他社のエンジンと対抗するにはもっと最適化が必要だ」と指摘した。その一方でこのテストが実験的なものであることからこのテストが「最速ブラウザー」を決めるためのテストではないことも指摘している。
この件に関してはOperaに対して2日間に渡ってコメントを求めたが、記事執筆時点までに回答を得ることはできなかった。GreyMagicでは「需要があればベンチマークに使用したプログラムを公開する用意がある」としている。
(2003/2/21)
[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com) ]
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