【イベントレポート】
NTT東日本、県間接続関連サービスを充実
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NTT東日本の高島常務 |
高島氏は、ブロードバンド回線利用者の急増や、定額制と従量制課金の比率が2001年11月以降は逆転していることなどを挙げながら、「今年度末にはCATVと併せて、ブロードバンドユーザーは1,000万人に到達するだろう」と説明。「回線ができて上にアプリケーションが乗り、そこでサービスとしてブレイクするという時期が、そろそろくるのではないか」と期待を表明した。
こうした状況下で、NTTでも多数のブロードバンド関連実験を行なっているが、「コンテンツを配信するようなモデルはなかなかうまくいかない現状がある」という。その理由として、「人がPCの前で動画などを見続けていられるのは、マックスでも15分くらい。2時間の映画などは、とてもではないが見続けられない」ことを指摘。実験で行なった調査などを通じても、こうした面が明らかになってきたという。
この解決策としてあるのが、セットトップボックスとテレビの組み合わせだという。「特にプラズマディスプレイは、1インチ1万円を切れば爆発的に普及するという予測があり、2003年内にもこの数字は達成できる見通しだ。また2011年にはアナログ放送が終了するため、今後テレビはなんらかの形で買い換えせざるを得ない。その買い替えの需要に乗って、テレビに配信するものとして、BBコンテンツが普及するのではないか」と高島氏。
一方、企業のブロードバンド利用では、高島氏は「日本は世界の先端をいっている」と言う。企業系のネットワークでVPNが主流になっていること(他国ではフレームリレーが主体だという)がその理由で、VoIPの企業への導入も、世界的に見ると日本が一番早いのではないかという。こうしたブロードバンド化によって、企業間の作業領域ごとでのコラボレーションが進んでいくことを予測し、その例として、アニメ作品の製作現場をブロードバンド回線で結び、背景や動画、彩色などそれぞれ場所や担当者が異なる作業の連携を効率化した事例を紹介した。
また19日に認可された県間IP接続についても触れ、「これまで『フレッツ・スクウェア』での動画配信では、43県すべてにサーバーを置かなければならなかった。これが今後は1台のサーバーで済むようになる」と、コストダウンのメリットを述べた。県間IP接続の実現によって、地域をまたいだIP-VPNの実現や、コンテンツ配信プラットフォーム(フレッツオンデマンドなど)やMフレッツの充実が図れるとし、今夏をめどに県間接続に関連したサービスを拡大する方向だ。
県間IP接続で充実するサービス |
(2003/2/26)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]