【イベントレポート】
「IC CARD WORLD 2003」が開催、電子ペーパーによる表示機能付きカードも
「IC CARD WORLD 2003」の出展企業は64社。他の同時開催展示会に比べると規模は小さいものの、ICカード関連の主要企業がほぼ揃った形となった。まずソニーでは、JR東日本の「Suica」で採用している非接触型ICカード技術「Felica」を展示。新製品は見当たらなかったが、電子マネー「Edy」を使えるミニ店舗「am/pm(カフェスタイル)」を隣接していたこともあり、常に来場者で賑わっていた。「IC CARD WORLD 2003」の会場内では、「Edy」を用いた電子マネー体験サービスを展開中で、毎日先着1,000名にオリジナルデザインの「Edy」を無料配布しているほか、会場内数箇所にEdyで決済できる自動販売機を設置し、利用を促している。 大日本印刷は、携帯型多機能UIM-ICカードリーダライタのコンセプトモデルを展示。ICカードを格納し、指紋センサーと液晶ディスプレイを搭載。USBや無線で接続することで、本人確認と決済、残高照会などを行なえる電子ワレット的な利用が可能だ。展示していたモデルは定期券大の大きさで、厚みが2cmほどだが、今後小型化・軽量化を図り、将来的には財布に収まる大きさにしたいという。 一方、凸版印刷では、電子ペーパーによるディスプレイ表示機能をつけたICカード2点を参考出品していた。数字とアルファベット表示が可能なセグメント型電子ペーパーを用いたものと、細かい画像を表示できるActiveFlex型電子ペーパーを用いたもので、カードそのもので、いずれもE-Inkの技術を利用している。LEDや液晶を搭載のICカードも展示していたが、電子ペーパーモデルを含めて表示には電力的な問題があり、実用化するのは当分先だという。
一方、ICカードが以前より廉価化したことにより、これを販促活動に利用する動きもある。フランスのICカード大手のジェムプラスは、映画やゲームのマーケティングにICカードとリーダーをセットで利用した例を紹介。たとえば映画「Star Trek Nemesis」で、関連アイテムをオンラインショッピングで買ったユーザーに特製ICカードとリーダーを送付、専用コンテンツにアクセスできる特典を付けるといったキャンペーンを行ない、好評という。 またディーティー・ジャパンでは、ICチップを搭載したCD-ROMやDVDを娯楽チケットとして利用するシステム「ノベチケ」を展示。販売時にICチップにユーザー情報を登録することでCD-ROM内の特別コンテンツの閲覧が可能になるほか、入場時はCD-ROMをリーダーにかざすだけで入場できる。また同チケットで映画などの興業を見た回数が記録され、一定回数に達すると特典が付くなどの機能を持たせることが可能だ。同社によれば、1枚200円ほどのコストでこうした機能を提供できるという。このシステムは今春日本ヘラルドが主催する「フランソワ・トリュフォー映画祭」で、特別鑑賞10回券として利用することが決定している。
「IC CARD WORLD 2003」は東京ビッグサイトで、3月7日まで開催されている。入場料は当日一般1,500円。 (2003/3/4) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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