【IPv6/ISP】
クライアントソフト利用で回線環境を変えずにIPv6に対応フリービット、大規模なIPv6実証実験「Feel6 Farm」を開始■URL
この実験では、Freebitが開発した新技術「Feel6 Technology」を用い、利用者が特別な投資を必要とせずに利用できるIPv6環境を提供する。「Feel6 Technology」では、DTCP(Dynamic Tunneling Control Protocol)技術を活用し、通信機器に組み込み可能な通信用コンポーネント「Feel6 Client」を開発。IPv6のパケットをIPv4にカプセリングし、既存のIPv4設備で伝達できる状態にして送信する。ユーザー側には同コンポーネントを搭載した専用クライアントソフト「BitBasket6」をインストールすることで、既存のインターネット回線のままで、IPv6環境が体験できるようになる。また大規模な接続管理が可能なサーバー用ソフト「Feel6 Server」により、ネットワーク側でのユーザーフィルタリングやセキュリティ管理も実現するという。 フリービット代表取締役社長の石田宏樹氏は、実験の意図について「IP電話の普及などで、IPv6へのニーズは急速に増大している。そのニーズに対して、“速やかに、無理なく、具体的にIPv6へ対応するためにFeel6 Technologyを開発、実証実験を開始する。インフラサイドはIPv6レディであることを証明し、IPv6時代には“.jp”が世界のブランドになることを目指す」と述べた。 「Feel6 Farm」はフリービットが主催・運営、WIDEプロジェクトが後援するほか、ISP51社とソニー、日立製作所、ヤマハが協力する。ISPはIIJ、OCN、DreamNet、Panasonic hi-ho、ぷららなどが参加しているほか、今後さらに協力を呼びかけていくという。またIPv6に対応のコンテンツを、湘南ビーチFMとIPv6普及・高度化推進協議会が協力・提供する形だ。なお同実験に対応した機器として、ヤマハのブロードバンドルーター「RTA55i」が「Feel6 Farm」に対応したファームウェアアップデートを行なう予定で、他にネットワーク家電などへの対応も検討しているという。 「Feel6 Farm」は3月5日から7月末まで約5カ月間にわたって行なわれる予定で、費用は無料。参加するには、実験用サイトから利用動作環境のチェックを行ない、必要事項を登録後、専用ソフト「BitBasket6」をインストールする。ソフトを起動するとセットアップ画面が立ち上がり、ユーザーはISPの接続IDなどを設定するだけでIPv6環境が利用可能となる。「BitBasket6」ではIPv6対応メールや専用ストリームコンテンツ、ユーザーごとにカスタマイズされたプッシュニュース配信などが利用でき、対応OSはWindows XPとMacOS X(4月に配布開始の予定)。また実験用として、「Feel6 Farm Network接続アカウント」(IPv4/v6トンネルアカウント)に加えて、IPv6に対応した無料のメールアカウントが提供される。なおユーザーのISPは問わず、協力51社以外のISPの参加も歓迎という。 フリービットではこの実験を通じて、ISP接続を行なっている日本のインターネットユーザー、すなわち日本のPC利用のインターネットユーザーの8割以上がIPv6を利用できる環境にあることを実証することを目標としている。また参加企業と協力し、IPv6の普及活動を行なっていくという。
(2003/3/5) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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