【イベントレポート】
@NetHomeが展示会を開催、IP電話への対応を表明
同社はCATV局向けにインターネット接続サービスを提供するISP事業を展開、現在109局、約100万世帯が「@NetHome」のサービスを利用している。会場では同社が今後計画している事業やサービスを中心とした展示を行なっていた。 最も大きいスペースで展示していたのは、IP電話サービス「C@BLE TALK」(ケーブルトーク)だ。@NetHomeのCATV局提携網を生かして広域ネットワークを構築し、同一のCATV局内に加え、提携CATV局の加入者も無料通話エリアとして利用できる点が特徴だ。またIP電話を展開する他キャリアと提携することで、さらに広範囲な無料通話エリアも実現可能だ。以前は映像信号との干渉の問題があったが、これをクリアして音声通話に適した音質への調整を行なったという。今年の4月から提携CATV局を通じた試験サービスを開始する予定で、秋頃をメドに携帯電話との通話、および固定電話からの着信を実現したうえで、本格展開を行なう計画という。また今年末には、VoIP用TA機能を備えた一体型ケーブルモデム(EMTA)の投入も検討している。 またデジタルSTB(セットトップボックス)を利用し、MPEG-2、MPEG-4などの映像を配信するVOD(ビデオオンデマンド)のデモも展開。特に50インチの大型ディスプレイで、MPEG-4(1.5Mbps)とWindows Media 9(24Mbps)の配信を行なっていたコーナーでは、高画質を効果的にアピールしていた。ただVOD自体はまだ実験段階で、特にMPEG-4に関しては、圧縮率を大幅に向上させる規格「H.264」の承認待ち(5月を予定)で対応するSTBが少ない点もあり、実現は来年以降という。またVODでは配信にコストがかさむこともあり、CATVのコンテンツを100%IPで配信するのは現実的ではない面があるという。 映像配信ではより高速な回線が求められるが、今回、シンクレイヤが米Narad社の「Narad Broadband Access Network」を展示。これは既存の同軸ネットワークを用いて、100Mbpsの回線速度を実現するという。現在は名古屋市のCATV局スターキャット・ケーブルネットワークと共同の国内初のトライアル実験中で、将来的には1Gbpsへの対応も視野に入れている。 また@NetHomeは先日、外出時などにダイヤルアップで接続できる「モバイルアクセスサービス」を開始したが、こうしたアクセス手段強化の一環として、ホットスポットへの対応を検討している。さらに、ユーザー宅までのラストワンマイルの競争力を強化するため、5GHzを用いた無線アクセスの提供も検討、一部地域で実験を行なっていることを明らかにした。ただし今回はあくまで参考出品で、具体的な時期などは未定としている。
(2003/3/11) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
|