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【イベントレポート】

インターネットと自動車に関するワークショップ開催

今こそビジネスの立場から
アプリケーションの創造を

■URL
http://www.wide.ad.jp/news/events/iCAR-Workshop/index-j.html

 神奈川県藤沢市の慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)で12日、WIDEプロジェクトインターネット自動車分科会、インターネットITS協議会、自動車走行電子技術協会(JSK)の3団体共催による「インターネットと自動車ワークショップ」が開催された。「身近なアプリケーション」と題して、テレマティクスやITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)など自動車におけるネットワーク環境の在り方について情報交換がなされた。

 はじめに基調講演を行なったWIDEプロジェクト代表/慶應義塾大学教授の村井純氏は、「バーチャル空間ではない、実空間とリンクした情報空間を構築するために、いかに自動車が貢献できるか」を説明。村井氏は数年前より、走行中の車両のワイパーの稼働状況をネットワーク経由でリアルタイムに収集して気象情報に加工するという事例を紹介しており、実際に数年にわたり実証実験にも取り組んできた。その結果から、自動車が「実情報空間」を構築するための手段になり得ることの「証拠」が示されたとしている。

 ただし、実証実験は「うまくいったように見えるが、実は問題もあった」と振り返り、自動車をインターネットにつなぐことの有用性は認めながらも、移動体通信インフラのコストがビジネスとして発展させるには足かせになると指摘する。この経験から、「どれだけの帯域を、いくらで使えればいいのかわかった」としており、今後はこの目安に応じてビジネス規模や展開時期を検討する段階に入っているという。

村井純氏(左)の言う“実空間インターネット”のイメージ。自動車のほか、無線タグもこういった実情報空間を構築する上で有効な手段になるとしている 道路交通情報、安全運転支援など、これまでサービスの種類ごとに別々に用意されていた車載システム/センターシステムを統合し、必要に応じてセンター側から収集するデータの種類を指定できるようにした「統合型車載システム」。来年度に実証実験を行なう予定だ

 ワークショップではさらに、参加団体らのこれまでの研究成果が紹介された。まず、サイバーソリューションズ代表のキニ・グレン氏が、車両の取得した情報をやりとりするためのプロトコルについて説明。自動車と通信するにあたって解決しなければならないこととして、膨大な車両数の問題、セキュリティやプライバシーの問題があったが、これらはそれぞれIPv6とSNMPv3を使うことで解決可能。残るパケット量の問題についても、オーバーヘッドを圧縮するためのプロトコルをすでにIETFにドラフトとして提出しているという。

 慶應義塾大学政策・メディア研究科の植原啓介氏は、携帯電話や無線LAN、DSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域無線通信)など複数の通信インフラを、車両位置に応じてシームレスに切り替えるための「Mobile IPv6」の開発状況について説明した。パソコンで使うフルスペックのMobile IPv6はFreeBSDへ実装しており、近日中に公開予定だ。また、組み込み用の軽量なMobile IPv6スタックについても、用途別に機能を絞ったものをいくつか開発し、検証を行なっている模様だ。

 このように、移動体通信インフラのコストの問題は残されているものの、インターネットと自動車を連携させるための基盤技術やミドルウェアはすでに技術として確立されている。残るは、これを魅力的なサービスとして普及させるための「身近なアプリケーション」ということになり、「今こそビジネスの立場から考えるべき」(村井氏)時期に来ている。

 そういった意味では、JSK企画調査部部長の蓮沼茂氏がコンセプトを紹介した「VHP(Vehicle Home Page)」もそのひとつと言える。これはいわば、車載のWebプラットフォーム上に個々の車両がポータルサイトを開設して、そこでその車両が持つ各種情報を提供しようというものである。例えば、自分の10km先を走っている他の車両のポータルサイトからデータを取得することで、これから通過するであろう位置の渋滞状況が把握できるわけだ。

 さらには、こういった車両内の各種センサーからの機械的な情報だけでなく、このポータルサイトでドライバーからも情報も発信することで、駐車場の空き状況や周辺情報なども共有できるコミュニティが構築できる。現在、KDDIや松下電器産業など9社/団体が研究会メンバーとして参加しているが、まずは会員制によるサービスの実現に向けて参加企業を募っているという。

車載ディスプレイに表示されることを想定したVHPのポータルサイトのイメージ VHPは“移動コンビニ”などのサービスにも活用できる。自分の車両の近くにいる移動コンビニの在庫を確認して注文、配達を依頼するというイメージ

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(2003/3/12)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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