【実証実験】
高速大容量プラスチック光ファイバー導入実証実験結果発表■URL 社団法人日本テレワーク協会は、経済産業省から依頼を受け、慶應義塾大学らと家庭内および教育施設内に高速大容量プラスチック光ファイバー(以下GI-POF)を導入する実証実験を2002年4月より2003年3月まで実施。実験結果を14日発表した。 今回の実証実験には、慶應義塾大学のほか、三菱商事、三井不動産、旭硝子、パワードコムが参加。慶應義塾大学小池康博教授が発明したGI-POFによるギガビットネットワークをマンションや学校に構築し、生活や教育の質的向上にどう貢献できるかを検証。GI-POFを利用したこうした実証実験は世界でも初の試みであるという。実験ではパークハイム自由が丘2丁目マンション内や慶應義塾幼稚舎内ににGI-POFネットワークを敷設。専用線で三田キャンパスと結び、大学との遠隔授業などが行なわれた。 マンションでは遠隔授業のほか、駐車場の常時映像監視や2週間ぶんのテレビ映像を大容量ストレージに蓄積して自由に閲覧するチャンネルオンデマンド実験などが行なわれた。チャンネルオンデマンドは95.7%とほとんどの住民に利用され、有料課金となっても使用したいとの感想が多かったという。月額課金の希望は500円が53.3%を半数以上を占め、1,000円までOKという回答も20%に達した。 幼稚舎での実験においても、小学校6年のクラスで小池教授の研究室と接続した遠隔授業を実施した結果、児童のアンケートで「興味深かった」との回答は約8割に達した。デジタル映像の編集場面などでも、「こんなふうにしたい」といったアイディアが児童からどんどん出てくるなどの成果が見られたという。 技術・施工面においても、GI-POFは簡単に後付けの配線ができ工期が半分になり、コストもガラス製光ファイバーに比べて3割削減できたという。また、配線は既存の銅線と同じ経路で敷設できるため、既存マンションでも10日間で77端末を設置し、容易に最終的な端末(パソコン)まで配線可能であることが確認された。 今後は、今回の実験結果をさらに展開する形で、埼玉県志木市の志木小学校においてGI-POFを敷設して児童と市民、市民同士の交流促進を意図した実験を2003年4月より実施する。
(2003/3/14) [Reported by 工藤ひろえ] |
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