【事業計画】
~MSN Messengerはコンシューマー向け、Windows Messengerはエンタープライズ向けにマイクロソフト、MSN/Windows Messengerの方向性を提示■URL
マイクロソフト株式会社は14日、同社のインスタントメッセージ(IM)に関するプレス向け説明会を行ない、MSN Messenger(以下、MM)やWindows Messenger(以下、WM)の方向性を説明した。 現在IM市場は、MM/WMがあわせて288万ユーザー、Yahoo! Messengerが119万、ICQが27万に利用されており、その約85%がアクティブなユーザーだという。特徴的なのは、2002年11月頃から急激にユーザー数が伸びている点だ。マイクロソフトでは、この要因をブロードバンドの普及により、インターネットの常時接続ユーザーが増加したためだと推測している。 一方、企業でのIM利用者数は、World Wideで2億ユーザーとなり、84%の企業で使用されているという。しかし、企業ユースでは、企業内認証サービスとの連携やセキュリティ問題、ディレクトリサービスとの連携により管理性の確保など、課題も多い。このことから、同社では企業向けIMシステムの必要性を強調した。 この点を踏まえて、今後IMに求められるものは、コンシューマーにおいては「高品質な音声と映像」、「安定した通信」などであり、企業では「セキュアな通信環境」、「アカウント認証手段」、「インフラとの接続性」などを挙げた。マイクロソフトは、このユーザーニーズに応えるために、現在同社が提供しているMMとWMにそれぞれ、コンシューマー向け、エンタープライズ向けという位置付けを行なうという。 具体的にいうと、MMはコンシューマー向けとして、さらにMSNとの連携度を深め、.NET Voice Serviceによる一般電話との通話サービスやMSN 8との連動サービスなどを拡充させていく。一例として、Logitechと共同開発した「WebCam for Messenger」がある。これは、動画とIMによる1対多の対話を可能にしたアプリケーションで、P2P技術ではないため、複数人での会話が可能な上、複雑なネットワーク設定等の必要がないというもの。3月13日より、日本語版のダウンロードも可能となっている。 このほかにも今後の方向性として、パートナー企業が情報を配信するとリアルタイムでポップアップ通知が表示されるサービス「MSN Alerts」や、MSNチャンネルからの情報提供をタブで表示することが可能な「MSN メッセンジャータブ」などを提供して、コンシューマー機能の強化を図る。 他方でWMは、SIP(Session Initiation Protocol)サポートを軸に技術を発展させ、エンタープライズ向けの機能を提供する。当面の計画では、SIPを通じてRTC(Real Time Communication)Serverと連動し、認証や管理機能の強化、暗号化、ログの保全など、エンタープライズ用途で求められている機能を実装していくという。 マイクロソフトはこのように、MMはコンシューマー向け、WMはエンタープライズ向けという明確な差別化を図りつつ、管理・監視下において相互接続性を可能にすることが、双方のユーザーニーズを取り込みつつ、機能を発展させる道だということを示した。 ◎関連記事 (2003/3/14) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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