【ソリューション】
きんでんが「MegaLine-BB」発売住戸ごとにルーターを分散配置する
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MegaLine-BBボックスは、松下電器産業が戸建て住宅向けに開発した「ブロードバンドBOX」をきんでんがマンション向けに改良したもの。パッチパネルの追加や省スペース化を実現している |
きんでんは14日、住戸ごとにルーターを分散配置するマンション向けの配線システム「MegaLine-BB」を開発したと発表した。参考価格は1戸あたり約10万円で、主に新築マンションを対象に販売する。
従来のマンション向け配線システムでは、マンションのMDF室などにルーターやハブを設置して各住戸に分配する方式が一般的だった。このため、マンション全体でルーターを共有することになり、IP電話やネットゲームの使用に制限が出ることがあったという。
これに対してMegaLine-BBでは、各住戸にルーターを配置する方式を取り入れることで、ユーザーが個別にルーターを設定できるようにした。ルーターやモデム、メディアコンバーター、ハブなど通信機器一式を収納するための「MegaLine-BBボックス」を住戸内に設置し、住戸単位で宅内LANを構築する。
宅内LAN部分の配線は、同社が特許出願中の「MegaLine-BBケーブル」を利用する。このケーブルは4芯のカッドケーブルを2本合わせたもので、一方をLANに、もう一方を電話に割り当てるといった使い方のほか、8芯を同時に使用すれば1Gbpsのデータ伝送も行なえる。住戸内向けに伝送距離を50mに制限することで、高速性を維持しながら、エンハンスドカテゴリー5のLANケーブルに比べて40%小さい断面積と高い柔軟性を実現したという。
宅内配線については、将来的に電力線搬送通信(PLC)にも対応する。ボックス内にPLCモデムを設置することで、MegaLine-BBケーブルを敷設することなく、各部屋の電源コンセント経由でネットワークが構築できるとしている。
なお、MegaLine-BBボックスからインターネットまでは、アナログ電話回線やCATVインターネットなどの通信サービス/インフラを利用することになる。きんでんでは、アクセス回線部分の方式は現在、過渡期にあると判断。MegaLine-BBは住戸内部分に特化し、特にアクセス回線のインフラを限定しない方法を採用した。将来マンションで光ファイバーが各住戸まで敷設されるようになった場合でも、宅内配線はそのままで対応できるようにしたとしている。
(2003/3/17)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]