【セキュリティ】
Flashの脆弱性を利用するポップアップ広告が公開実験中■URL 教育用ソフトを開発している米FlashFast.comが、Flashの脆弱性を利用して強制的にポップアップ広告を表示する技術を実験中であることがわかった。現在までに「被害」はないが、ソフトの脆弱性をこのようなやり方で利用することに対して異論も出ている。 これは、米コンサルティング会社Enterprise Campusがプレスリリースで明らかにしたもの。また、編集部の取材に対してFlashFast.comのJeremy Blomley氏もその事実を認めた。 ポップアップ広告は一部の人々に嫌われているために、多くの企業が廃止する方向性にある。また、ポップアップ広告を表示しないようにするためのソフトも数多く利用されている。 FlashFast.comの実験は、アンチポップアップ広告ソフトやWebブラウザーのポップアップ無効化機能を回避するものだ。FlashFast.comのポップアップ広告は、同社の「Highorse」コンテンツの左側に表示される馬の頭をクリックすると表示される。 Blomley氏は、具体的にどのようなFlashの脆弱性を利用しているかについて明言を避けた。このポップアップ広告は、現在FlashFast.comのWebサイトでのみ表示されており、実験的な意味合いが強いという。今のところ同社のポップアップ広告は自社製品の宣伝などは行なっていないし、クリックしないと表示されないため目障りとは言えない。 一方、この技術を公開したEnterprise Campusは、プレスリリースで「これは(FlashFast.comの親会社の)Electric Empiresには良いニュースかもしれないが、果たしてWebユーザーやアンチポップアップソフトを開発するために何百万ドルをも費やした人々にとっても良いニュースと言えるだろうか」とコメントし、この手法に対して疑問を投げかけている。 このリリースに対してBlomley氏は、同社のポップアップ広告が人気を集めていることを挙げながら、「伝統的なポップアップ広告をからかっているだけだ」とそれほど気にしていない様子だ。 同社の実験では、第三世界で子供や政治犯を米国の大企業が労働者として使用する問題について指摘したり、牛乳の中の環境ホルモンの危険を訴えるために米国で放送されている牛乳の広告をからかったりするような風刺が多い。Blomley氏は、「人々は面白いと思えばポップアップ広告を消さない。我々は、この方法でアンチポップアップソフトを無意味にすることができるのだということを宣伝したい」と述べている。 (2003/3/19) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
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