【セキュリティ】
イラク戦争に便乗したウイルスが2種類登場■URL トレンドマイクロ株式会社は、イラク戦争に便乗して作られたとみられるウイルス「WORM_WANOR.A」と「VBS_PRUNE.A」の2種類を発見し、情報を公開した。いずれも流行はしていないものの、Subject欄に戦争関連の文字が書かれていることから、興味本位で感染する可能性があるとして警告している。 「WORM_WANOR.A」は、トロイの木馬型ウイルスで、Microsoft Outlookのアドレス帳から取得したメールアドレスに対して、自身のコピーをメールに添付して送信する。感染後は、自分自身をPCにコピーし、レジストリーの改変などを行なうほか、マスメーリング活動により、感染の拡大を目論む。なお、送信するメールの内容は以下の通り。
万が一感染した場合は、ウイルス対策ソフトで検索を行ない、該当プログラムの削除を行なった後に、改変されたレジストリーの修復を行なう必要がある。 「VBS_PRUNE.A」は、VisualBasicScriptで記述されたワーム型のウイルスだ。Microsoft OutlookやIRCチャットの機能を利用して増殖を試みる。VBSプログラムで動作しているため、Windows 98/2000など「Windowsスクリプティングホスト」がインストールされている環境でなければ動作しない。また、このウイルスは、システムタイマーが毎月1~5日の場合にファイルを削除する機能を持っているが、この機能を実行するためのコードが欠落しているため正常に動作しないという。送信されてくるメールの内容は以下の通り。
感染した場合には、ウイルス対策ソフトで検索を行なった後に、[タスクマネージャ]でタスクの終了や、Autoexec.batファイルの修正を行なわなければならない。 トレンドマイクロのウイルス解析担当者岡本氏は、ウイルス“WORM_WANOR.A”に対して、「このウイルスはメッセージ性を訴えたいがために“発病”活動を行なう、最近のウイルスではあまりないタイプ。ウイルスメールの内容が反戦に関連しており、メッセージ色が強いので、話題にはなるかもしれないが、現在被害報告はない」とコメントしている。また、“VBS_PRUNE.A”に対しては、「こちらも最近のウイルスでは珍しく“発病”活動を行なうよう作成されているが、うまく発病できずメッセージは表示されない」と語っている。 (2003/3/20) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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