【事業計画】
JST、失敗から学ぶための“失敗知識データベース”の試験公開を開始
■URL
http://www.jst.go.jp/pr/report/report303/
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科学技術振興事業団が公開している“失敗知識データベース”のイメージ画像
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科学技術振興事業団(以下、JST)は、科学技術分野の事故や失敗を未然に防止するために、科学技術分野での事故や失敗の事例の収集と分析を行なった「失敗知識データベース」を3月27日より試験的に無料で公開すると発表した。
失敗知識データベースは、文部科学省が失敗経験を積極的に活かす方策を検討するために開催する研究会「失敗知識活用研究会」の提言に基づいて構築されたもの。
JSTでは、この事業を工学院大学の畑村教授に委託し、畑村教授を委員長とする失敗知識データベース推進委員会が、実際に失敗事例の収集・検討を行なっている。同委員会によると、3月27日の公開時には約560件の事例情報が収録される予定で、今後も随時更新していくという。
また、同委員会は、失敗に至る脈絡を“原因、行動、結果”の観点から階層的にまとめた「失敗まんだら」と、“原因、行動、結果”のキーワードを因果関係を考えて配列した「シナリオ」という2種類の表現方法を開発することに成功し、この表現方法に基づいて事例の分析・整理を行なった。
データベースには、機械、材料、化学物質・プラント、建設の4分野に分けて情報が収録されており、失敗まんだらの用語を用いてシナリオを検索する「シナリオ検索」やシナリオや事例情報をキーワードによって検索する「キーワード検索」を行なうことが可能だ。検索結果の一覧では、事例毎に付与された「代表図」によって事例内容の理解を直感的に手助けするという。
JSTは、「このデータベースを有効活用し、上手く“失敗から学んで”欲しいと考えている」と語った。
(2003/3/24)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp]
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