【新技術】
NTT、携帯電話やICカードを財布化するプラットフォーム
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http://www.ntt.co.jp/news/news03/0303/030324.html
NTTの持株会社は24日、携帯電話やICカードを“財布化”する「電子価値流通プラットフォーム」を開発したと発表した。サービスを受ける“権利”やプリペイドマネーなどの“価値”をデジタル化し、携帯電話やICカードを媒体としてリアル店舗やインターネットでやりとりできる。ショッピングの支払いや各種電子チケット、鉄道の改札など、さまざまな用途で安全な決済処理が行なえるとしている。
同社では、非接触式ICカードと公開鍵暗号を組み合わせた高速な電子マネー技術や、同じく非接触式ICカードでの利用を想定した電子チケット流通システムを開発済みだ。今回のプラットフォームはその延長にあるもので、従来のシステムでは改札の処理速度が270msだったのに対して60ms以下に高速化されたほか、複数の“権利”や“価値”を1枚のICカードで扱えるようになった。
さらに、財布代わりに使える機器としてICカードに加えて携帯電話にも対応し、赤外線通信による決済や改札の処理も行なえるようにした。ただし、現在の機種ではメモリー容量の制約から電子マネーや電子チケットそのものを端末内に保存しておくことができないため、認証処理にあたってサーバーと通信する必要がある。処理速度はICカードに及ばないものの、自動販売機などで使う分には他社システムよりも実用的な処理速度を実現しているという。
NTTでは、グループの事業会社を通じて同プラットフォームの利用拡大を目指す。なお、部分的な機能についてはすでに商用サービスでの実績があり、神奈川県横須賀市のバス路線でICカードによる支払いシステムが導入されているほか、NTTコミュニケーションズとぴあによる電子チケットサービスにも採用されているという。
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(2003/3/24)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]
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