【業界動向】
Google、Toolbarの分散コンピューティング機能を実験的に公開■URL 米Googleは26日、同社の実験的技術を公開する場所である「Google Labs」ページに「Google Compute」を加えた。Google ComputeはGoogle Toolbarに追加される分散コンピューティング機能で、余ったCPUパワーをインターネット上の他のプロジェクトに提供できるようにするものだ。 Google Computeをインストールすると、ツールバーにDNAの2重螺旋構造を模したアイコンが表示される。ここをクリックすることで、余ったCPUパワーを提供できる。実際に筆者の環境でCPUパワーが常時100%になることが確認できた。このアイコンから、自分がCPUパワーを提供しているプロジェクトの状況を確認したり、設定の変更などを行なうこともできる。 Google Computeは、昨年以来その存在が明らかになっていた。実はGoogle Toolbarには以前からGoogle Computeの機能が含まれており、Googleの隠しページで設定を変更することにより稼働させることが可能だった。それでもこれを公にしなかった理由について、Googleの広報は「αテスト前の段階だから」とコメントしており、スケーラビリティーの問題など克服しなければならない技術的な課題があったと考えられる。今回、実験的技術という位置づけとはいえ初めて公開されたことは、一定の品質が確保できるようになったためと思われる。 現在Google Computeを利用しているのはスタンフォード大学の学術プロジェクト「Folding@home」で、余ったCPUパワーをタンパク質の構造解析に提供することによってこれまでわからなかった病気の治療法を発見しようとしている。Googleでは将来的にGoogle ComputeによるCPUパワーを、Googleのサービス向上や他のプロジェクトに提供することも検討中だとしている。 Google Computeは英語版のGoogle Toolbarにのみインストール可能だ。対応してるプラットフォームはWindows 95/98/Me/NT/2000/XP、Internet Explorer 5以上、メモリー64MB以上となっている。
◎関連記事 (2003/3/27) [Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com) ] |
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