【新技術】
FlashをブラウザーからPCへと解き放つ米Macromedia、新アプリケーション環境
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米Macromediaは27日、新しいアプリケーション環境「Macromedia Central」を発表した。これは、Flashをブラウザーに縛られることなく、PC上のオフライン環境でもひとつのアプリケーションとして動作させるような環境である。Macromedia Centralは今年夏に提供が開始される予定で、エンドユーザーに無償で配布される。
Macromedia Centralはデスクトップ上のアプリケーションとして動作し、その中でたくさんの小さなFlashアプリケーションを選んで使える。その意味で、Centralは「親」、Flashアプリケーションは「子」の関係と言える。PCがオンラインに接続されるとCentralが接続を感知してFlashアプリケーションに通知し、使用しているWebサービスの情報が更新されていないか、あるいは新しいFlashアプリケーションが登録されていないかを確認できる。これらの情報はそのままCentralに保持され、モバイル環境のようにオフラインになったときでもそのままFlashアプリケーションを使い続けられる。
Macromedia Centralに登録できるFlashアプリケーションは、データをXMLなどのオープンフォーマットで扱うため可搬性が高く、OSのパイプに似た機能によって他のFlashアプリケーションに容易にデータを渡すことができるという。そのため、アプリケーション同士が協力してひとつのタスクを行なったり、ネットワーク上の他のアプリケーションと協調動作するなどのコラボレーションが可能だ。
Macromedia Central上で動作するFlashアプリケーションは、開発者の希望により有償にすることができる。これらのアプリケーションは、Centralの画面からオンラインソフトのように機能を試してから購入できる。アプリケーション開発に興味を持つ人に対しては、同社からMacromedia CentralSDKが提供される。
Flashは、WindowsやMacintoshに限らずさまざまなプラットフォームで非常に広範に使われている。これがブラウザーを離れてデスクトップ上で動作するようになると、MicrosoftやAppleなどプラットフォームを開発する企業や、携帯電話、情報家電開発者にどのような影響が与えられるのか注目されるところだ。
(2003/3/28)
[Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com) ]