【通信事業】
NTT東日本、自治体のファイバー網を活用してブロードバンドサービス
■URL
http://www.ntt-east.co.jp/release/0303/030328b.html
http://www.town.yashima.akita.jp/broadband/broadband06.htm
NTT東日本は28日、「特定地域向けIPデータ通信網サービス」を開始すると発表した。自治体が整備した光ファイバー網などのアクセス回線インフラをNTTが借り受け、その地域向けにIP通信サービスを提供する。まずは秋田県矢島町で4月1日、これを利用した住民向けのブロードバンドサービスがスタートする。
矢島町でスタートするのは「YBネット」。同町が総務省の補助事業で整備した光ファイバー網を足回りとして、Bフレッツ・ベーシックと同等の最大100Mbpsのサービスが提供される。NTT東日本と町が一括契約するかたちとなり、住民向けの料金設定は町側で行なう。そのため、料金は加入者数や募集時期によって変動するが、同町の場合はISP料金込みで月額7,500円が上限額。矢島町によれば、すでに商用FTTHサービスが提供されている秋田市内などに比べて半額程度だという。
NTTではすでに各市町村の収容局を結ぶバックボーンを構築済みだが、郡部など需要が多く見込めない地域については、さすがにその先のアクセス回線部分まで積極的に構築するというわけにいかないのが実状だ。一方で、最近では総務省の補助事業などにより、自治体が独自に光ファイバー網を整備する事例が増えている。
今回のサービスは、そのような地域で「ブロードバンドサービスの提供を切望している自治体」(NTT東日本)に対して用意したもの。同社サービス開発部によれば、矢島町以外にも2、3の自治体から支店経由で問い合わせがあるとしており、今後は他の自治体についても需要に応じて対応していくとしている。
なお、アクセス回線のインフラはやはり光ファイバーがメインになりそうだが、自治体のネットワークであれば、無線など他のインフラとの連携も考えられるという。また、光ファイバーを使う場合でも、通信速度などサービスのスペックは各自治体の要望に応じて設定可能だ。自治体が指定するISP網との接続にも対応する。
自治体のアクセス回線インフラを活用して民間企業が提供するブロードバンドサービスとしては、今回のNTT東日本と矢島町のほか、岩手県江刺市のえさしわいわいネット、北海道長沼町の北海道総合通信網があり、同じく4月から運用がスタートする予定だ。
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(2003/3/28)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]
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