【業界動向】
旧郵政事業庁が「日本郵政公社」として運営開始■URL
発足式では最後の郵政大臣を務めた片山虎之助総務大臣、衆参両院の総務委員長らが出席。また郵便の父・前島密氏のお孫さんや、千代田区内で活動する絵手紙教室のメンバーなどが出席。誕生から100年を迎える丸型郵便ポストに手紙を投函しながら、新公社の開始をアピールした。 日本郵政公社の初代総裁に就任した生田正治氏は、就任挨拶のなかで、「これまでの信頼や全国の郵便局ネットワークを基礎に持ちながら、公社となってサービスが良くなったといわれることを目指す」と発言。全国約2万4,000カ所の郵便局と、約29万人の郵便局員を持ちながら、より時代やニーズに合ったサービスを提供していく方向だ。平成15~平成18年度までの第一期中期経営計画では、4兆円の利益を目標としている。 総額350兆円といわれる郵便貯金・保険の資産については、生田氏は「巨額で影響も大きいことは確かだが、入ってくる際には1,000万円が上限で、そのほとんどが半分以下の小口が集まったもの。そういう意味では安全第一で、リスクを大きく伴なうことはやるべきではない」と発言。運用には慎重な姿勢を表明した。 一方、「インターネットや電子メールの普及によって手紙が減ってくる傾向は、米国などで起こりつつある」(生田氏)と指摘し、IT技術が郵政公社の事業に与える影響を検討、対策を行なっていく方針を明らかにした。さらに従来IT関連を扱っていた部署とは別に「IT委員会」を新設し、“郵便局LAN”などを視野に入れつつ、公社経営に最適なシステム構築や、ITを活用した事業展開も図っていくという。 なお同公社のIT活用事例として、4月1日より「インターネットによる再配達依頼受付サービス」を開始した。従来は電話やハガキ、FAXで受け付けていた不在持戻り郵便物の再配達依頼を、インターネットからも申込み可能できるようにした。さらに5月20日からは、従来ハガキで行なっていた配達完了通知サービスについても電子メールでの対応を開始し、利便性を図る方向だ。 ◎関連記事 (2003/4/1) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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