【業界動向/セキュリティ】
IPAがウイルス被害額を試算、2002年の国内被害額は4,400億円に
■URL
http://www.ipa.go.jp/security/fy14/reports/current/model-4400.html
情報処理振興事業協会セキュリティセンターは、2002年の1年間に発生したコンピュータウイルス感染による企業の被害額は約4,400億円との試算結果を発表した。2001年度のGDP(502兆6183億円)約0.09%に相当するという。
これは同協会が行なった国内事業所を対象としたセキュリティ関連調査の一環として試算されたもの。「国内におけるコンピュータウイルス被害状況調査」の設問の一部として得た回答からまとめている。
試算方法は、有効回答を99名以下の建設・製造業、100名以上の建設・製造業、99名以下の第3次産業、100名以上の第3次産業の4グループに分け、ここから業種別・事業所規模別の被害総額を算出。これを合計することで、年間国内被害総額を推計した形だ。
試算によると、1事業所あたりのウイルス被害額は、99名以下の建設・製造業で27万3,233円、100名以上の建設・製造業で96万9,636円、99名以下の第3次産業で19万9,612円、100名以上の第3次産業で37万6,094円。2002年の1年間で推計される国内被害総額は約4,392億円に上るという。
IPAによれば、推計の手法まで公表してコンピュータウイルスの被害額を試算するのは、世界でも例がないという。またIPAによる被害額の推計は、2001年度に続いて今回で2度目で、前回よりさらに精度を上げたとしている。
なおIPAの調査によれば、2002年の1年間でコンピュータウイルスに感染(遭遇)した団体・組織の割合は、世界では韓国が63.3%と最も高く、次いで台湾の41.1%、アメリカのアメリカ26.7%、ドイツ12.8%となっている。日本は35.4%で、台湾に次ぐ数字だ。同協会はこの結果について、Slammerの被害も韓国が最も大きかったこと、またその要因として修正プログラムの適用を行なっていなかったことを挙げ、「情報セキュリティに対する意識の低さが大きな被害をもたらす結果につながる」と指摘している。
(2003/4/3)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]
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