【業界動向】
米調査会社Frost & Sullivan、欧州企業の無線技術利用レポート
■URL
http://www.frost.com/
米調査会社Frost & Sullivanは、欧州の企業経営者100人あまりを対象に行なったワイヤレス技術に関する調査結果を発表した。同調査によれば、欧州企業は、現在のワイヤレス技術に関して総じて満足しているものの、ワイヤレス技術への投資を今後も継続して増加する余地がまだあると認識していることが明らかになった。
同調査では、企業の職場環境における無線LAN導入の成功が指摘された。欧州企業では従業員は通常壁に隔てられた環境でそれぞれの業務を行なっていることが多く、業務の共有が難しいと言われていたが、無線LANの導入によって従業員同士の「壁」が取り払われた例が多いとの評価が高まっている。
一方で、無線LANに限った問題ではないが、セキュリティーが企業活動において最も重要な課題の1つとなっている。企業がセキュリティーホールの被害にあったり、問題を起こしたりすることも多く、今後の検討課題として挙げられている。
無線LANでは、IEEE 802.11bの導入率が高まっており、すでに42%の企業が導入済みで、15%の企業が導入検討中という。しかし、IEEE 802.11aの導入については導入を検討している企業もまだほとんど無いようだ。
ワイヤレス技術では、Bluetoothも注目されるという。しかし、企業活動に必要と見ている企業はまだ少なく、実際に使用している企業は9%、導入を検討している企業も22%にとどまった。コスト、セキュリティー、使いやすさなどの点でまだ不備が多く、今後の改善が期待されるとしている。
総じて、ワイヤレス技術は、欧州企業でも重要度を増しており、66%の企業が生産性向上に役立ったとしている。特に、電子メール、PIM、CRMなどをワイヤレス技術に応用して用いることで、業務効率向上が期待されている。今後さらに普及率を高めるためには、コストの低減およびセキュリティー強化が重要となると見られる。
(2003/4/7)
[Reported by Gana Hiyoshi]
|