【業界動向】
英Netcraft、実稼働Webサーバー数の測定サービス開始■URL 英Netcraftは14日、インターネット上のWebサーバーに関する調査を行なう際に、IPアドレスではなく実際に稼働しているWebサーバーのコンピューター数を測定し、そのコンピューターをDNS逆引きによりホスティング業者などを特定する調査手法を開発し、調査結果のライセンスを開始したことを発表した。 世界的に同じ調査手法でWebサーバーの正確な数、増加率、それぞれのホスティング業者が用いているOSやサーバー技術などを分析できるようになるという。データはExcel形式で提供され、Netcraftではホスティング業者の競争力比較、M&Aの参考資料、国際市場への拡大戦略の立案などに役立つとしている。 Netcraftや他社が現在行なっているWebサーバーに関する調査結果では、物理的なコンピュータ数ではなくホスト名の数を数えている。多くのISPでは1台のコンピューターで複数のサイトを運用している場合が多く、場合によっては1台のコンピューターで数千のサイトを稼働することすらあるため、ホスティング業者やISPの情報を得るには不十分だった。 Netcraftはこの問題を解決するためにTCP/IPプロトコルの性質を利用し、指定したIPアドレスからほぼ同時にパケットを送らせ、そのヘッダーフィールドを分析することで同じコンピューターから発せられるパケットを数える手法を開発した。これにより誤差の範囲内で同じコンピューター上に存在するサイトを識別することが可能になる。 ただしこの手法ではバックエンドサーバーを数えることができないため、AmazonやGoogleと言った巨大なサイトでは前面にある負荷分散システムだけを1つのコンピュータとして認識してしまうことがあり、データの解析には注意が必要だ。その片方でホスティング専門業者では多くの場合物理的コンピューターにはWebサーバーが稼働しており、複数のコンピュータを利用している顧客の割合は少なくなる。こうした場合には誤差は限り無く小さくなると考えられる。 実際この調査手法によると、IPアドレスの利用数ではホスティング業者上位20位の内18が米国企業だったが、稼働コンピュータ数の調査では上位20位の内米国企業はわずか12に減少した。このように物理的なコンピュータが世界的に分散している傾向がわかるという。 (2003/4/15) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
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