【セキュリティ】
米Microsoft、今後1年間のセキュリティ計画を発表■URL 米Microsoftは、今後のセキュリティの取り組みを発表した。これは、サンフランシスコで開催されているセキュリティカンファレンス「RSA Conference 2003」の基調講演で、同社のSecurity Business部門コーポレートバイスプレジデントMike Nash氏が明らかにしたもの。 計画の概要は、「ユーザーに安全性の高いコンピューティング環境をよりよく、シンプルに提供すること」だとしている。またNash氏は、同社が今後1年間で重点的に提供するセキュリティツールや技術4項目を明らかにした。この4項目は、ユーザーがコンピューティング環境のセキュリティを強化を図る際に重視しているもので、「パッチ管理」「情報保護」「安全なWeb開発」「安全なネットワーク接続」だという。 ●パッチ管理 パッチ管理では、パッチインストールソフト「Software Update Services(SUS) 2.0」とシステム管理サーバー「Systems Management Server(SMS) 2003」を年内にリリースすることでサービスの拡充を図る。SUS 2.0は、アップデートを実行できる対象製品を拡大する。SMS 2003では、サーバーが計画的にダウンしている間にパッチを自動でインストールする機能などを組み込むという。 コンシューマーや小企業向けのパッチ配信サービスを今後1年間でさらに強化し、WindowsやWindows以外のMicrosoft製品に対しても、セキュリティパッチやその他重要なパッチに関しては、自動アップデートサービスを提供していく。また、同社では、現在多数あるパッチインストーラー技術を整理・削減し、セキュリティ管理の簡素化を目指す。また、今年末までに、パッチを当てていないシステムを検出するツール「Microsoft Baseline Security Analyzer 1.2」をリリースする。 ●情報保護 Microsoftの情報保護の取り組みでは、企業の機密情報をより安全に保護するように設計されたアクセス権管理技術「Windows Rights Management Services(RMS)」を「Office 2003」に実装し、ベータ版として提供を開始している。RMSを利用することによって、エディターやメールなどのアプリケーションにおいて、ユーザー毎に転送や印刷、編集などのアクセス権の種類を設定することができるため、情報漏えいの保護が図れる。 ●安全なWeb開発 Microsoftは、開発者がより簡単に安全なアプリケーションを作成できるように努力しているという。その例として、来週発表される予定の開発ツール「Visual Studio .NET 2003」や「.NET Framework 1.1」では、データセンターで稼働するWebアプリケーションやWebサービスをより詳細に管理できるようになる。また、2003年第3四半期に、.NET Framework対応ソリューションに関するセキュリティ最善方法を説明するガイドをリリース予定だ。 ●安全なネットワーク接続 最後に安全なネットワーク接続では、まずワイヤレスアクセスの急増により、認証やアクセスコントロールが複雑化していることをMicrosoftは指摘しており、Wi-Fi Allianceが進めているワイヤレスアクセスのセキュリティ仕様「WPA」に注目しているという。また、SAN(Storage Area Network)分野においては、米Brocade Communications Systemsや米QLogic、米McDATAと協力し、Windows Serverの認証サービス「Internet Authentication Service(IAS)」の普及促進を図る。 ◎関連記事 (2003/4/16) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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