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EU、IT社会の安全システムに関するフォーラムeSafety開催

■URL
http://europa.eu.int/rapid/start/cgi/guesten.ksh?p_action.gettxt=gt&doc=SPEECH/03/204|0|RAPID&lg=EN;

 欧州連合(EU)の行政機関を担当する欧州委員会は22日(欧州中央時間)、IT社会での安全システムに関するフォーラム「eSafety」をベルギーの首都ブリュッセルにおいて開催した。

 フォーラムでは、道路交通安全におけるコミュニケーションのあり方ということで、IT社会における道路交通安全の改善計画が提案される予定であることが発表された。委員会は、この改善法を6月に2種発表する。この2種の計画は、まず、運輸・エネルギー担当委員が第三の道路交通安全アクションプランを策定するものであり、全体的な枠組みおよびストラテジーを提示する。2つ目はインテリジェント・ビークル(知能を備えた自動車)に関する情報通信技術に関するプラン。これは、委員会の情報社会・企業担当委員が策定する予定。これら2つの計画は、欧州における道路交通安全を、IT技術の応用により改善することを目的としている。

 eSafetyは2002年の同時期にイニシアティブが採択された。初年度での達成目標はかなり達成されたと欧州委員会の情報社会・企業担当委員のErkki Liikanen氏は評価。最初の6カ月以内にeSafetyワーキンググループが形成され、そのワーキンググループが情報通信技術を道路交通安全に活かすための工夫として28種の提言を行なったことが初年度の成功につながったという。また、そのためのシステムとしてIntelligent Integrated Road Safety Systemsが重要であることが認識されていたため、適用がうまくいったことも原因の1つという。11月に会議を行なった際に、進捗状況をチェックしフォーラムを開催することも決定された。

 eSafetyでは、2002年4月の会議で、道路交通安全が悪化していた原因について積極的な議論および分析がなされた。2002年11月の会議では、安全を確保するためにどのような施策をとるべきかが積極的に議論された。インテリジェントシステムを採用することが決定された。eSafetyフォーラムは、施策の実行方法を議論することになるという。欧州では約3億7500万人の道路利用者がいるが、これだけの巨大集団にインテリジェントシステムを普及させるためにはまだ一工夫必要のようだ。

 インテリジェントシステムの要件としては、eCall、事故原因データ(Accident Causation Data)、人間と機械との相互関係(Human-Machine Interaction)およびビジネス性(Business Rationale)が挙げられるという。このうち、eCallの優先度が最も高く設定されている。eCallは、乗用車内に取り付けられる緊急通報用システムで、緊急時に従来は不可能であった通信方法を可能とし、安全確保に役立つことになるという。

 事故原因データは、実際の事故に関する分析データで、安全システムを構築する場合に必須だ。また、人間と機械との相互関係では、人間に優しいシステムの開発が重要となる。どのような人でも使用できることが必要となるほか、ビジネスとして成立するかも重要だ。コスト的に誰でも購入できるような価格とし、同時に産業として成り立つことも重要だ。ただし市場に任せるだけでは普及に時間がかかることは、ABSで実証済みであるため、政府および国際機関が積極的に普及施策をとる必要があると指摘された。今後の活動は策定したプランを実行する点に重点が置かれることが確認された。

(2003/4/24)

[Reported by Gana Hiyoshi]

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