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【インタビュー】

W3Cの技術スタッフに聞くWeb標準化動向(2)

Webサイトも“バリアフリー”の時代へ
〜MITのMatt May氏〜

■URL
http://www.w3.org/WAI/ (Web Accessibility Initiative)

 昨今、“バリアフリー”のスローガンのもと、住居、公共施設、交通機関など生活に密着した施設は障害者に優しい設計が求められている。この動きはインターネットの世界にも反映され、W3Cでも「Web Accessibility Initiative(WAI)」というワークグループを設置。障害者や高齢者にも利用できるようなWebサイトの普及を目指し、ガイドラインを作成している。今回は、WAIに所属するWebアクセシビリティのスペシャリストである、マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所(MIT/LCS)のMatt May氏に話を聞いた。

●すべての人がWebを閲覧・作成できるために

W3CのWebアクセシビリティスペシャリストであるMatt May氏。ボストンにあるマサチューセッツ工科大学所属だが、本拠地はイチローのマリナーズがあるシアトルだ
 WAIはこれまで、Webアクセシビリティ向上のため、Webコンテンツ制作者向けの「Web Content Accessibility Guidelines 1.0(WCAG 1.0)」、オーサリングツール開発者向けの「Authoring Tool Accessibility Guidelines 1.0(ATAG 1.0)」、Webブラウザーなどソフトウェア開発者向けの「User Agent Accessibility Guidelines(UAAG)1.0」という3つのガイドラインを策定している。「すべての人がWebを閲覧し、また作成できること」。これがWAIのモットーだ。

 アクセシビリティへの関心や需要は日増しに高まっているが、WCAGが発表された1999年頃から、アクセシビリティを取り巻く環境はどう変化してきたのだろうか。

「まず、1999年に発表したWCAGのガイドラインは『アクセシビリティとは何か』を定義し、より多くの人の理解を得るために発表したものです。当時は“アクセシビリティ”や“ユーザビリティ”という用語は一般的ではありませんでした。まず我々は、どのようにして障害を持った人がWebにアクセスできるようにするか、障害者にとって使いやすいデザインとは何かを考えることからスタートしました。アクセシビリティという言葉が一般的になった今から考えると、これは非常に意味のあることだったと思います。」

 具体的に規格策定といっても、なかなか実務を想像しにくいが、ひと言でいえば、「障害者にも優しいインターネットのデザイン」を目指しているといえばいいだろう。インタビューに応じてくれたMay氏はW3Cの技術スタッフになる以前、インターネット食料品店を運営するベンチャー企業にWebユーザビリティのスペシャリストとして勤務していた経験がある。

「多くの人々はブラウザーで何ができるか、このOSで何ができるか、そしてどうやって使うのかに関心があります。しかし私たちの仕事は、OSのインターフェイスを考えるようなものではありません。もっと根底の部分で、Webにどういった要素を付け加えるべきかを考えるわけです。表レイアウトがその一例です。通常、表はデータを表示するのに使うわけですが、ヘッダーという要素を加えるだけで、その表が何を意味するかをユーザーに伝えることができるわけです。このように、直接見た目に現われる前の段階で、規格としてどういった要素を表現として許し、加えるべきかをアクセシビリティとユーザビリティの観点に立って考えます。」

●ソフトウェア側の対応が重要

 根底部分だけではなく、ユーザーが実際に操作するクライアントソフトの対応も進んでいる。WAI内のワークグループ「User Agent Accessibility Guidelines Working Group(UAWG)」によれば、Internet Explorer 6.0やOpera 6.0、Windows Media Player 9.0など15種類のソフトウェアについてUAAG1.0への対応度を調べたところ、すべてのチェック項目に準拠したソフトウェアこそなかったものの、実装済みの項目も多かったという。

 このように、アクセシビリティ向上には、ソフトウェアがガイドラインに準拠していくかどうかが重要なポイントになる。これは制作者側、ユーザー側問わず、関連するソフトウェアすべてにいえることだ。だが、制作者側が使うオーサリングツールへのガイドライン適用は、まだ発展途上にあるようだ。

「オーサリングツールというと、DreamweverやGoLive、FrontPageなどを想像するでしょうが、我々が考えているのは、PremierやFinal Cut Proといった動画編集ツール、QuickTimeやWindows Media、Realなどのマルチメディアツール群、企業向けのコンテンツ管理システムなど、インターネットコンテンツ作成に関わるソフトウェア全般を指しています。まだ十分に進んでいるとはいえませんが、これらのツールがガイドライン準拠になっていくのは非常に重要なことです。ひとつのページを編集するだけで、数千ページにも及ぶHTMLファイルを書き換えることだって可能になるわけですから。」

 一方でW3Cはサイト制作者向けに、アクセシビリティ向上のためのTIPSをWebサイトに公開している。クリッカブルマップやIMGタグに画像の内容を示すALTテキストを入れること、音声/動画コンテンツには字幕を入れることなどを呼びかける内容だ。さらに、これらのTIPSをプリントした名刺サイズのカードを、原則無料で配布している。ツール側の対応も重要だが、それを操る制作者の啓蒙もまた重要だという考えの表われだろう。

●Webもバリアフリーの時代へ

 今後、バリアフリーへの社会的関心がさらに高まる中、インターネット標準化団体としてのW3Cの役割は大きい。Webもバリアフリーの時代へと向かっているのだ。

「参加メンバーには、企業、政府機関、アクセシビリティやユーザビリティを専門にするコンサルタント企業、障害者の団体など、さまざまなタイプがあります。このため、我々はインターネットにおけるアクセシビリティ向上のために何をすればいいのかということについて、幅広いノウハウの蓄積があるわけです。現在、いちばん大きな問題は、インターネットの世界に限らず、生活の中で基本的なことをするのにさえ障害者はトラブルを感じているという事実です。これは、障害を持っているから不自由を感じているのではありません。施設や社会のシステムが、障害者も利用するということをふまえて設計されていないことに大きな原因があるのです。言うまでもなくガイドラインは、このような障害を少しでも取り除くために作成されたもので、これをさらに推し進めていかなければならないでしょう。」

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(2003/5/1)

[Reported by 伊藤大地]

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