【実証実験】
時速260kmで無線LAN通信、ルートなどが実験に成功
■URL
http://www.root-hq.com/newsrelease/news030513.html (発表資料)
http://www.root-hq.com/products/mobile_ip.html (製品紹介)
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時速260kmで走行中の車両から伝送された画像 |
ルート株式会社は13日、時速260kmの高速移動中でもIP通信が途切れない無線LANシステムの実証実験に成功したと発表した。電車やレーシングカーなどの通信インフラとしての応用が期待される。
実験は、東京工業大学、九州システム情報技術研究所らとの共同研究によるもので、茨城県つくば市にある日本自動車研究所の高速周回路で実施された。コース上に400mおきに設置された基地局と高速走行する車両との間に、2.4GHz帯の無線LAN環境を構築。車載カメラからの映像を車両内でMPEG-4にエンコードして送信することに成功したほか、オートバイのライダーが装着したPDAとのIP通信も行なわれた。時速260kmでもメガビットクラスのスループットを確保できたという。
ルートではすでに昨年6月、通信プロトコルのMobile IPと高速ハンドオーバー技術を組み合わせた「Mobile IP Solution」を発表しており、工事車両などへの導入実績がある。同製品では時速100km程度まで対応できるとしていたが、実は実験環境の都合により、それ以上の速度での接続が検証できなかったという。
今回の実験は、鉄道や自動車レース、救急医療車両などのより高速な移動環境の通信インフラとして実際に引き合いがあったことから行なわれたもの。無線LAN基地局やハンドオーバー技術、認証技術などの基本部分は同じままに、移動局を2波同時受信型とすることで高速ハンドオーバーを実現した。なお、広範囲をカバーする必要がある鉄道などの場合も、ルートの長距離タイプの指向性アンテナと組み合わせることで、基地局間隔を数kmに延ばすことが可能だとしている。
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車両に搭載された無線アンテナ |
同じくカメラや画像サーバー類 |
(2003/5/13)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]
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