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【スポット】

CRLが最先端の研究テーマを紹介する展示室を開設

生後6カ月の“赤ちゃんロボット”とも対話可能

■URL
http://www.crl.go.jp/

近未来の通信社会をイメージしたジオラマ
 独立行政法人通信総合研究所(CRL)は、最新の研究成果を紹介する展示室を東京都小金井市に開設した。16日より一般に公開する。約500平方メートルのスペースに、3テーマ/16項目の研究展示ブースのほか、電波や通信の原理を学べるコーナーなどを設置。ビデオでの解説を中心に、実際に実験機器にも触れながら、最新技術を学べるようになっている。

 研究成果の展示は、「人ゾーン」「通信ゾーン」「環境ゾーン」で構成。人ゾーンは、人間が持つ感覚とその仕組みを紹介するコーナーで、人間型ロボット「Infanoid」の頭部モデルがひときわ目を引く。人間のコミュニケーションのメカニズムを研究するために開発されたもので、生後6カ月の赤ちゃんと同等のコミュニケーション能力を持っているという。クネクネと動きながら周囲を見回すメカ剥きだしの頭部に、4つのカメラを内蔵した大きな眼球、表情を表わす太い眉毛、発声に応じてパクパクする唇を搭載。人間の顔や動くものなどを画像から認識し、見た物とその時に聞いた言葉を結びつけながら成長していく。実際、説明員の顔を認識すると「ママ」(男性だが)、ぬいぐるみを見つけると「ウサギさん」と赤ちゃん言葉で応答した。

Infanoid(左)が見ている映像(右)。黄色の枠が表示されている部分が人間の顔、赤がぬいぐるみ、青が動きのある部分として認識されている

 通信ゾーンは情報通信分野の最先端技術を紹介するコーナー。次世代の衛星通信ネットワークの研究用に計画されている技術試験衛星「ETS-VIII」、インターネットを利用した災害時の安否確認システム「IAAシステム」、DoS攻撃のメカニズムなど、インターネット関連の研究展示も多い。3つめの環境ゾーンでは、地球や環境の測定技術が紹介されている。また、3つのゾーンの中央には、直径3.5メートルの都市のジオラマを設置。気球を基地局とした「成層圏プラットフォーム」や2010年をめどに実用化予定の超高速インターネット衛星「WINDS」、車載のソフトウェア無線など、近未来の通信社会のイメージを提示している。

 展示室の入場料は無料。会館時間は午前10時から午後4時までで、土・日・祝日と年末年始が休館日となっている。予約なしで誰でも見学可能だが、学生の引率の際などには、あらかじめ連絡すれば係員による解説も行なうとしている。

入退場を管理する端末が設置されており、見学者はまずここでICカードに年齢や言語などを入力。各展示ブースの解説ビデオが子供向け日本語、大人向け日本語、英語から自動的に切り替わる仕組みだ。退場時には見逃した展示ブースを確認することも可能(左)。説明は、中学生程度でもわかるレベルになっているという(右)

◎関連URL
■CRL「前言語的コミュニケーションの認知科学」
http://www2.crl.go.jp/jt/a134/xkozima/research/indexj.html
■CRL「赤ちゃんロボットからみたコミュニケーション」
http://www2.crl.go.jp/kk/e412/CRL_News/0106/303_main/001_main.html

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(2003/5/14)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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