【セキュリティ】
~国内感染も報告されており、ウイルス対策ベンダー各社が注意を促す
ウイルス「LovGate」の亜種数種類が機能を増やし、感染力を上げて登場
■URL
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=PE_LOVGATE.I-O
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=PE_LOVGATE.J-O
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=PE_LOVGATE.K-O
http://www.symantec.co.jp/region/jp/sarcj/data/w/w32.hllw.lovgate.h@mm.html
トレンドマイクロ株式会社やシマンテック株式会社などウイルス対策ベンダー各社は13日、ウイルス「LovGate」の亜種が数種類発生し、国内感染を含むアジアにおいて、感染を広げているとして警告した。ただし、この亜種は、Windowsのシステムファイルである“NTDLL.DLL”内のAPIが必要なため、Windows NT系OS(XP、2000、NT)でしか動作しないという。
「Lovgate」の亜種は、32bit実行可能型ファイル(PE形式)に感染するファイル感染型のウイルス。メールに自分自身を添付して送信したり、ネットワークの共有フォルダにコピーして感染を広めるほか、バックドア活動も行なう。トレンドマイクロでは、「Lovgate」の亜種を「PE_LOVGATE.I-O」、「PE_LOVGATE.J-O」、「PE_LOVGATE.K-O」の3種類発見している。また、3月に発見された「Lovgate」が行なわなかったファイルへの感染活動も亜種では行なうため、一層の注意が必要だ。
実際に感染すると、ローカルのハードディスク内のEXEファイルすべてに「WORM_LOVGATE.F」を改造した不正コードを追加するファイル感染活動を行なう。また感染後、1時間30秒おきに感染活動を繰り返す。ただし、ウイルスコードのバグのためか、ほとんどの場合、感染活動は実際には行なわれないという。その後、「PE_LOVGATE.I-O」と「PE_LOVGATE.J-O」では、以下の12個のファイルをWindowsのシステムフォルダに作成する。
RAVMOND.EXE
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WinDriver.EXE
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WINGATE.EXE
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WINHELP.EXE
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WINRPC.EXE
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WINEXE.EXE
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WIN32VXD.DLL
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IEXPLORE.EXE
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REG678.DLL
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TASK688.DLL
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ILY668.DLL
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KERNEL66.DLL
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その後、PCのレジストリを改変し、自分自身を自動起動するようにするほか、「マスメーリング活動」、「ネットワーク感染機能」、「バックドア活動」、「プロセス停止活動」など複数の活動を行なうため、感染力やダメージ度は高い。
万が一感染してしまった場合には、ウイルス対策ソフトで検出されたプログラムを全て削除した上で、レジストリの削除やWindowsシステムファイルの変更などを行なわなければならない。
トレンドマイクロによると、14日14時現在「LovGate」亜種の国内感染数は9件とのこと。
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(2003/5/14)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp]
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