【イベントレポート】
~デジタルコンテンツをビデオカメラで再撮しても電子透かしの検出が可能NHK技研、アナログ機器を経由しても継承される電子透かし技術■URL
NHK放送技術研究所(以下、NHK技研)が開催している「2003技研公開」では、専門家向けの技術系展示会である「技術展示」が公開されているが、その中からNHK技研が開発したビデオカメラで再撮されても有効な電子透かし技術を紹介する。 電子透かし技術とは、デジタルコンテンツに著作権情報を埋め込むことによって、不正なコピーを防ぐコンテンツ保護技術。今回NHK技研が発表した技術は、この電子透かし技術と信頼できる供給者であることを保証するプロバイダー認証技術をあわせることによって、より安全なコンテンツ保護や配信を目指すというもの。 この保護技術では、プロバイダーとユーザー間で固有の秘密情報を作成し、ユーザー側の証明書に記載する。プロバイダーは、コンテンツに秘密情報を添付して配信する。ユーザーは、コンテンツに添付された秘密情報と自身の証明書を照らし合わせることにより、受信したコンテンツが正当なプロバイダーから配信されたものだと確認することができるという技術だ。さらに、この秘密情報を新たに開発した電子透かし技術で保護することによって、有効性を上げている。 新開発の電子透かし技術は、コンテンツをテレビ画面に表示し、ビデオカメラ等で再撮してもユーザー側で電子透かしを検出できるというもの。従来より、ビデオカメラ等での再撮によって、コピーガードを回避する不正コピーが実際に行なわれていた。しかし、この技術を利用することによって、アナログビデオ等で撮影したような一定のノイズが入る状況や、人がカメラの前を横切るなどの状況であっても電子透かしの検出が可能だという。会場では、ビデオカメラを2台用意し、再撮を経由して電子透かしを検出するデモを行なっていた。 ただし、現状では電子透かし技術を応用したコピーガードシステム等が開発されていないため、実際にこの電子透かし技術を応用して著作権保護に繋げるためには、まだ時間がかかるという。
◎関連記事 (2003/5/22) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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