【新技術】
NEC、PDAなど非PC端末のWeb閲覧を快適化する
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左からNECインターネットシステム研究所の山田敬嗣氏、片山博所長、旭敏之氏 |
携帯電話やPDA、ネットワーク家電など、PC以外の端末でWeb閲覧をする場合、画面のサイズや解像度が小さく、またリモコンの十字キーなどを利用するため、一覧性や操作性に欠ける面があった。「セマンティック・ズーム機能」はこうした欠点を解消するために開発された技術だ。Webページを表示する際の縮小/拡大率を、見出しなどの重要度に応じて制御。ページ全体表示で見出しだけを大きくしたり、ページ内の1カテゴリーのみ抜き出すといった表示を可能にする。これによって、小さい画面でも快適なWeb閲覧が可能になるという。またポインタを見出しレベルに合わせて移動させることで、十字キーのみでも不自由なく操作できるとしている。
この技術は、WebページのコンテンツにXML形式で記述したレイアウト情報を付加してサーバーから送信し、対応ブラウザーで閲覧することで動作する。コンテンツ自体を変換せずに、レイアウト情報をレイヤーとして加えて送信する点が特徴だ。ブラウザーについては、プラグインを導入することでセマンティック・ズーム機能に対応できる。またセマンティック・ズーム用のオーサリングソフトを用いて、既存のHTMLにレイアウト情報を付加し、サーバーなしでの利用も可能としている。NECではこの技術によって、PDAなど小さい画面の端末から、Webページの欲しい情報へアクセスする時間を、従来の二分の一に短縮できるとしている。
NECでは、1年後をめどにセマンティック・ズーム機能の製品実装を計画。まずPDAや家庭用ネットワーク端末への搭載を想定している。ブラウザーはMicrosoft製品へまず対応する方向で、追って他社製品への対応も予定している。オーサリングソフトも1年以内に提供を開始する方向だが、無償で提供するかといった詳細については、追って検討するという。またこの技術と並行して、XMLによるレイアウト情報がなくても、見出しレベルで適切な部分を表示できる手法も開発中で、完成次第発表する予定としている。
PCでのWeb表示 | セマンティック・ズーム技術で左図のWebを表示した例 |
セマンティック・ズームの説明図 | ワンソースでPDAにも対応 |
(2003/5/26)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]