【実験】
~ギガビットネットワークをバックボーンに、2~4Mbpsの動画配信などを実施シスコ、JR西日本と共同でモバイルIPネットワーク構築実験シスコシステムズ株式会社(以下、シスコ)と西日本旅客鉄道株式会社技術部(以下、JR西日本)は29日、JR宝塚線の尼崎~新三田間において、高速移動体に対応するモバイルIPネットワークを構築し、実証実験を行なっていると発表した。 実験は、列車にアクセスポイント(CiscoAironet 350)とルータ(Cisco2651)を設置し、沿線に設置された無線LANブリッジ(CiscoBR350)によってJR西日本本社の試験ネットワークに接続し、移動する列車内においても利用できるIPネットワーク環境を構築するというもの。沿線へは、JR西日本が実験用に構築したギガビットイーサネットによるネットワークをバックボーンに使用し、2~4MbpsのMPEG2による動画配信や、VoIPの接続実験などの“連続接続性”に重点を置いた実験を行なっているという。また、将来的なことを見越して、IPv6とIPv4によるデュアルスタック方式のネットワーク実験も行なっている。 このネットワークにより、例えば列車の運行状況や遅延情報、信号や踏切の状態などを、本社から各列車・駅にリアルタイムで送信できるようになり、乗務員や駅員は液晶モニターやPDAのような携帯端末上からこれらの情報を閲覧するような事例も想定されている。 実験は2002年2月より開始されており、当初は川西池田~宝塚間6.5kmを、保守車両を用いての低速(時速30km)実験から開始し、2002年9月には通常車両(時速120km)での実験でも低速時と同様の成果を得たという。これを受けて、2003年3月からはテスト区間を延長し、JR宝塚線の尼崎~新三田間の約37km(走行時間約40分)に86局の無線LANブリッジを設置し、接続実験やIP電話の実験を行なってきた。 両社は、今年度はより高速な移動試験を行なうため、JR西日本の中核線区であるJR京都線・神戸線(東海道本線)にシステムを構築し、より実用性を高めていくための実験を予定しているという。
(2003/5/29) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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