【新製品】
シスコ、IEEE 802.11b対応の無線IP電話を国内販売
シスコシステムズは3日、米国で4月末に発表された「シスコ無線IP電話7920」を7月から国内で販売すると発表した。IEEE 802.11bに対応しており、同社のIPテレフォニー製品である「Cisco CallManager」と連携させることで、企業などの内線電話を無線IP電話に置き換えることができる。参考価格は1台8万5,000円。 シスコ無線IP電話7920は、大きさが132.3×53.3×25.4mm(縦×横×厚さ)、重さが136g(標準バッテリー搭載時)で、見かけは携帯電話そのものだ。すでに提供中である据え置き型のIP電話端末「Cisco IP Phone 7960G」とほぼ同等の機能を備えており、セキュリティ機能としてIEEE 802.1x/EAPベースの認証方式「LEAP」に対応している。標準バッテリーで3.5時間の連続通話、21時間の待ち受けが可能だ。 現在、企業の内線電話をモバイル化する手段としては構内PHSが一般的だが、シスコではシスコ無線IP電話7920について、「アプリケーションがPHSとの最大の差別要因」(山中理惠マーケティング担当執行役員)と強調する。7920には高精細な液晶が搭載されており、日本語の2バイト文字へも対応する予定だという。「単に電話としての機能だけではなく、IP上で動くXMLアプリケーションもサポートできる」という強みをアピールしながら、国内の内線電話市場でシェア獲得を目指す。 シスコでは現在、従来の同社の中心製品であるルータ/スイッチだけでなく、その上のネットワークレイヤーにIP技術を使ったコンポーネントを積み重ねて、企業向けの統合ソリューションを提供する「アドバンスドテクノロジー戦略」を進めている。この戦略で扱う製品は「IPテレフォニー」「ワイヤレス」「ストレージ」など6分野に及んでおり、Ciscoのワールドワイドにおける研究・開発費用の40%、売上の18%を占めるまでに至っているという。 さらに、アドバンスドテクノロジー戦略で掲げる製品分野は、「今から3年後、ルータ/スイッチと同じぐらいの市場規模になる」(黒澤保樹代表取締役社長)と見ており、引き続きアドバンスドテクノロジー戦略における6分野の取り組みを強化していく考えだ。IPテレフォニー分野では、Cisco CallManagerの次バージョンで独自プロトコルに加えてSIPのサポートを開始するほか、多機能タイプのIP電話端末の開発など、日本ならではの要求にも対応していくとしている。 ◎関連記事 (2003/6/3) [Reported by nagasawa@impress.co.jp] |
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