【業界動向/P2P】
Altnetがファイル識別技術「TrueNames」特許行使を示唆
~多くのファイル交換ソフトに影響も
■URL
http://www.altnet.com/ (英文)
http://patft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO1&Sect2=HITOFF&d=PALL&p=1&u=/netahtml/ srchnum.htm&r=1&f=G&l=50&s1=6415280.WKU.&OS=PN/6415280&RS=PN/6415280 (米国特許商標庁の特許明細書・英文)
米Altnetは5日、同社が保有している「TrueNames」特許を、「Kazaa Media Desktop」を配布しているSharman Networksにライセンスすることを発表した。
TrueNames特許は、ファイル名や保管場所、アドレス、ファイルサイズといった容易に変更できるデータを用いずに、データそのものの違いを認識するファイル識別方式。ハッシュ関数を用いてファイルを識別するアルゴリズムを用いている。
P2Pファイル交換ソフトにおいて、この特許のもつ影響力は大きいと考えられている。実際AltnetのCEOであるKevin Bermeister氏は、「AltnetはTrueNames特許の侵害事案に注目しており、我々は現在よく使われている多くのP2Pアプリケーションがこの特許を直接侵害していると考えている」と、訴訟などの実際の行動を起こす可能性を匂わせている。
このTrueNames特許の米国特許番号は「5978791」で、AltnetのチーフサイエンティストRon Lachman氏を含む2名により1994年に発明されたという。出願されたのは1999年4月1日で、2002年7月2日に米国特許が成立している。
その後、カナダのBrilliant Digital Entertainmentが2002年10月18日にこの特許をAltnetからライセンスし、Brilliant Digital EntertainmentとAltnetが共同でサードパーティに対してサブライセンスする契約を結んでいる。今回のSharman Networksへのライセンスは、この合意に基づいて行なわれたものだ。
なおAltnetは、Brilliant Digital Entertainmentと、Kazaaの創業チームが起こしたベンチャー企業であるスウェーデンのJoltidによって設立された会社で、この3社は密接な関係にある。
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(2003/6/6)
[Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com)]
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