【セキュリティ】
~ルーマニアのアンチウイルス技術を買収米Microsoft、アンチウイルス技術をWindowsに組み込む意向を表明■URL 米Microsoftは10日、ルーマニアのGeCAD Softwareが持つアンチウイルス技術に関連する知的財産権と資産を買収することで合意したこと発表した。Microsoftはこの技術を基礎にしてアンチウイルス技術をWindowsプラットフォームを強化するために使用することを明らかにした。なお、具体的な機能、価格、発売予定日などの詳細は発表されていない。 GeCADは1992年にルーマニアのブカレストに設立されたアンチウイルス企業で、「RAV AntiVirus」のブランド名で世界の1,000万人に利用されている。この製品は数々の賞や認定を受け、高い評価を得ているという。GeCADの製品はプラットフォームに依存しないアンチウイルススキャニングエンジン技術を基礎にしており、ウイルスを探知、除去すると同時にウイルスの兆候を察知するデータベースとしても機能し、どんなプラットフォームやOS上でもウイルス探知できる「革新的な仕組み」だとされる。 Microsoftは今回の発表の中で、この技術を基にしてMicrosoftの製品やサービスのためのアンチウイルスソリューションを提供する意向を明確にした。GeCADが持つコンピュータウイルスに関する経験と技術を利用して、システムがどのように攻撃されるのかを検証。Windowsプラットフォームのセキュリティを強化すると同時に、サードパーティのアンチウイルス企業がウイルス対策を施しやすいようなサポートを提供するという。 Microsoftは同社製品のセキュリティを向上させるための「Trustworthy Computing Initiative」を立ち上げて全社的に取り組んでおり、今回のアンチウイルス技術買収はその一環といえる。さらにMicrosoftは今年5月に「Virus Information Alliance(VIA)」を設立し、サードパーティのアンチウイルス企業と提携してWindowsプラットフォームを攻撃する恐れのあるウイルスやコードに関する情報提供を行なうことを発表している。 このVIAに参加しているTrendMicroは、MicrosoftのGeCAD技術買収についてコメントを発表。この買収が「MicrosoftのTrustworthy Computing Initiativeを推し進めるための不可欠な要素と見ている」とした上で、「TrendMicroのビジョンはデジタル情報を安全にやりとりできる世の中を作り上げることであり、Microsoftのこの動きはTrendMicroの目標を実現へと加速させる助けとなるだろう」と理解を示した。現在までのところTrendMicro以外のアンチウイルス企業はコメントなどを公表していない。 ◎関連記事 (2003/6/11) [Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com) ] |
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