【実証実験/IPv6】
“シルバーネットソサエティ”の実現を目指す
東芝と山梨市ほか、高齢者向け地域情報インフラ実験を開始
■URL
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2003_06/pr_j1302.htm (リリース)
http://www3.toshiba.co.jp/feminity/ (フェミニティ)
http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/ (山梨市)
|
実験で利用するフェミニティのITホーム端末。パネル画面などはデザインを高齢者向けに変更する予定 |
株式会社東芝は、高齢者向け地域情報インフラの実証実験を、山梨市で11月から開始すると発表した。同社と山梨市、山梨大学が協力して展開するもので、高齢者向け情報インフラの産官学共同実験は、全国初の事例となる。
具体的には、まず7月までに60~80歳の高齢者を含む27世帯を募集し、タッチパネル式の専用端末を配布する。端末機器は同社のネット家電「フェミニティ」シリーズのITホーム端末をベースに開発。高齢者でも見やすいユーザーインターフェイスへの変更やIPv6への対応、カメラの搭載などの機能追加を行ない、キーボードに不慣れな高齢者でも扱いやすいものにする。
参加世帯には、山梨CATVのケーブル網を利用したIPv6インターネット環境を整備し、11月よりインターネットを利用した実験を開始する。自作の俳句をホームページに掲載して仲間と交流するなど、日常生活に根ざしたインターネットの利用を呼びかけるほか、端末搭載のカメラを利用して、顔の見えるコミュニケーションを図っていく。将来的には、病院の混雑情報を端末に配信し、混雑状況に合わせて通院するといった利用法も想定しているという。
山梨市が舞台となった理由としては、同市が地域情報インフラ整備に積極的に取り組んでいること、山梨CATVのケーブル網などが整っていることに加え、市内の山梨大学で、高齢者向けインターフェイスの研究を行なっており、研究と実験の目的が一致したことが挙げられる。実験では、高齢者が利用しやすい情報機器インターフェイスの研究や、インターネットを利用した社会参加促進を図りながら、高齢者が日常的にインターネットを利用する「シルバーネットソサエティ」の構築を推進していく。また実験を通じて、東芝が次世代インターネットを用いて展開するサービス事業の基礎データを収集していくという。
(2003/6/13)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]
|