【調査結果】
音楽業界の売上減少はファイル交換ソフトの“ヘビーユーザー”が原因■URL 音楽業界の売上減少の大きな要因がファイル交換ソフトによる音楽のダウンロードとCDライティングによるコピーであるとの調査結果を、米国のメディア業界専門の調査会社Edison Media Researchが発表した。この調査は、米国に住む12歳から44歳までの1,003人を対象に5月8日から18日にかけて行なわれたもの。 調査によると、ファイル交換ソフトを利用して100曲以上をダウンロードしたことがある、いわゆる「ヘビーユーザー」は全体の16%を占めており、これらの人々の音楽CD購入枚数は昨年に比べて61%減少していた。これは、昨年一人当たり平均28.9枚のCDを購入していたものが、今年に入って11.3枚に減少したことを意味する。 このことについて、調査を担当したEdison Media Researchの副社長Jayne Charneski氏は「ヘビーユーザーはレコード業界がこれまで大口顧客として依存してきた人物と同じである可能性が高い。今日このグループに属する人々は、音楽を購入する代わりにますますファイル交換サイトからダウンロードしたり、音楽をCD-Rに焼きつけたりしている」とコメントした。 また、ヘビーユーザーのうち71%は「CDを購入する代わりに、誰かがコピーしたCDをCD-Rに焼いたことがある」と答え、48%が「インターネットから音楽を無料でダウンロードできるので、これ以上CDを買う必要はない」と回答した。CDをコピーして、CD-Rに焼く行為は若者の間で特に顕著であり、12歳から17歳の若者のうち61%が「誰かのCDを借りて、CD-Rに焼いたことがある」と回答している。 一方で、レコード業界の啓蒙活動も功を奏していることが明らかになった。例えば、ダウンロードしている人々の14%が「アーティストとレコードレーベルに報酬が支払われるべきなので、これ以上音楽を無料でダウンロードしない」と回答し、この考え方を持つ人の割合は、2002年の調査時点で5%だったことを考えると9%も増加していることがわかる。またインターネットから音楽ファイルを無料でダウンロードする行為が「道徳的に誤りだ」と考える米国人は1年間で28%増加していた。 さらに現在音楽をダウンロードしている33%の人々は、もし“法的に罰せられる可能性がある”というポップアップメッセージがファイル交換サービスで表示されるなら、「ファイル交換ソフトを使用不能にする」とも回答しており、今後のファイル交換サービスに影響を与える可能性もある。 (2003/6/19) [Reported by 青木大我(taiga@scientist.com)] |
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