【調査/業界動向】
欧州のホットスポットビジネスは失敗する~米Forresterが予測
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http://www.forrester.com/ER/Press/Release/0,1769,806,00.html
ハイテク調査会社大手の米Forrester Research(以下Forrester)は、欧州のホットスポットビジネスが失敗するとの予測を公表した。欧州では多数のホットスポット事業者が主要都市にホットスポットを設置し、その成功に期待がかかっているため、この予測は衝撃的であるだけでなく、米国や日本におけるホットスポットビジネスにも多大な議論を呼ぶ可能性がある。
Forresterがホットスポットビジネスが失敗すると予測する論拠は、無線LAN利用者のほとんどを占めるノートPCユーザーの数が非常に少ないことにある。現在欧州の人々の10%しかノートPCを保有しておらず、2008年になってもこの数字は16%にしか上がらないと予測。その上、ホットスポットサービスを利用するのに最大で月額130ユーロと高額なことや、ホットスポットのカバーエリアが狭いこと、ローミング手続きが煩雑で進まないこと、企業のIT部門が無線LANのセキュリティや標準規格の問題に懸念を表明していることなど、さまざまなネガティブな要因から、ホットスポットビジネスは未だ成功に程遠いとしている。さらに現在までの出荷されている無線LAN関連製品の80%はSOHO市場に向けられており、大企業向けではないという。
こうしたことからForresterでは、2008年までに公衆ホットスポットを利用する欧州の人々の数は、無線LAN機能を利用可能なノートPCとPDAユーザーの15%から20%に相当する約770万人に留まるだろうと予測している。他方で同時期の携帯電話利用者は3億1,200万人と予測されていることから、同社は「ホットスポットビジネスのバブルは破裂寸前」であると指摘している。
(2003/6/23)
[Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com)]
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