【業界動向】
センティリアム、高性能ルータ機能搭載の50Mbps ADSLチップセット■URL 米Centillium Communicationsの日本法人、センティリアム・コミュニケーションズは、下り最大50Mbps、上り最大3Mbpsの通信が可能なADSLモデム向けのチップセット「Palladia 220」を発表した。全世界でサンプル出荷を開始し、価格は非公開で、量産出荷時期については未定。 すでにセンティリアムでは「eXtremeDSL MAX技術」、収容局設備用のチップセット「Maximus」を発表しており、ユーザー宅に設置されるADSLモデムなどに搭載される今回の「Palladia 220」によって、下り最大50Mbpsを実現するADSLソリューションが完成する。 「Palladia 220」には、200MHzの動作クロックを持つ32ビットプロセッサを内蔵するため、スループット50Mbpsの性能を持つルータ機能を内蔵することが可能。また、イーサネットインターフェイスなどのほか、PCIやCardbusのインターフェイスを持つため、無線LANアクセスポイントの内蔵やVoIPをはじめとしたさまざまな機能と組み合わせることも可能となっている。 「Palladia 220」は、下り最大24Mbps ADSLで用いる「Palladia 210」の上位に位置する製品となり、50Mbpsの通信のほか、24Mbps通信もサポートする。50Mbpsの実現にはDSLで使う周波数帯域を4倍とすることや、帯域内のトーン1つあたりの伝送ビットを増加させる技術が必要で、どちらも国内・国外ともに規格の標準化はまだ先となる見込みだという。そのため、「Palladia 220」を使った下り最大50Mbpsサービスの開始時期は未定とした。 なお、同社プロダクト・プランニング担当のディレクター 郷右近一彦氏は、イー・アクセスやT-comが予定する下り最大30Mbpsのサービスと「Palladia 220」の関係について直接言及しなかったものの、「eXtremeDSL MAX技術」のひとつ「MAX-HBL(High Bit Loading)」と24Mbpsで採用するダブルスペクトラムを組み合わせることや、帯域を4倍とするクワッドスペクトラムによって下り30Mbpsのサービスは可能であると説明した。
◎関連記事 (2003/6/24) [Reported by 正田拓也] |
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