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シロガネ・サイバーポールがパネルディスカッション

子供のインターネット利用はどうあるべきか

■URL
http://www.scyberpol.org/project030623.htm

(向かって右から)漆紫穂子副校長、崔洋一監督、野田聖子議員、牧野和夫教授

 23日、特定非営利活動法人シロガネ・サイバーポールが「子どものインターネット環境に関するパネル・ディスカッション〜安全で楽しいインターネット活用に向けて」と題するパネルディスカッションを開催した。パネリストとして、品川女子学院副校長の漆紫穂子氏、映画監督の崔洋一氏、衆議院議員の野田聖子氏、ヤフー株式会社法務部長の別所直哉氏、国士舘大学大学院法学研究科教授の牧野和夫氏が参加した。

 まず最初に、品川女子学院で実際に行なっているコンピュータを使った教育の様子が映し出された。同校では、中学校からインターネットを使った教育を実践しており、生徒のインタビューでも「パソコン利用の9割がインターネット」「調べものに使う」「海外の友人とメールのやり取りをしている」といった回答が寄せられた。

 漆副校長は、「本来、インターネットを使った教育は、高校生になってから始めればいいことになっている。しかし、すでに家庭で使っている以上、中学生から始めることに意味がある」とコメントする。また、野田議員は「公立の中学・高校では、100%インターネットに接続されているという政府の公式発表がある」として、子供をとり巻くインターネット環境の充実度を紹介した。この話を受けて崔監督は、「基本的には、インターネットの普及は時代の趨勢である以上、止めようがない。むしろ、子供たちの自由な選択を、法律や規則で縛ってしまうのは固い話だと思う」と意見を述べた。

●客体としての子供とインターネット

 パネルの最初のテーマとして、客体としての子供とインターネットの関わりについて語られた。漆副校長がまず、品川女子学院の生徒の盗撮写真がインターネット上で公開されていることを紹介する。同氏は「警察に届けても部署をたらいまわしにされただけで、何の対策も取ってくれなかった」という。

 次に野田議員が「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰および児童の保護に関する法律(通称:児童買春、児童ポルノ法)」の一部改正を紹介した。児童買春、児童ポルノ法は1999年に成立したものだが、インターネット上のデータに関する規定は盛り込まれていなかった。現在、国会審議直前まで来ている一部改正案では、インターネット上の被害を防ぐために「電磁的記録」も処罰の対応に加えようとしている。野田氏は「今日、存在しているもので入手可能なものはすべて取り締まりの対象にできる法改正を行ないたい」とコメントする。

 これに対して崔監督は、「法律は現状を固定していく性格を持っているが、今日は明日でない以上、将来のことまで射程に入れたものを作るのは難しい。また、表現の自由との兼ね合いがあり、線引きは難しいと思う」と反論する。さらに「もちろん、被害にあった子供の人権を守る意味で法律や規則は必要だ。しかし、表現というものは受け取る側の空想力、想像力に依存するもので、非常にあいまいなもの」と語る。

 ここで米国の児童ポルノに対する取り組みを牧野教授が紹介した。「日本が児童ポルノの供給源になっていると言われている」と現状を語り、米国の厳しい対応を話した。米国では理由の如何を問わず、13歳未満の性的な表現は違反になるという。例えば、おむつのCMで乳児の性器が映っただけで児童ポルノ違反ということだ。

 これを聞いた崔監督は、「日本は、米国のようになってはいけない」と強く反論する。「日本には“はだかんぼ”という言葉があり、それに基づく文化がある。例えば、金太郎にパンツを履かせてどうなるんだ、金太郎はフリチンでなければならないはずだ」と力説する。牧野教授は「日本国内では問題ないが、それをインターネットで公開すると話が変わってくる」と補足するものの、崔監督は「ネット社会というものは矛盾をはらんだものだ。公開すれば被害が大きくなるということは承知しているが、何でもかんでも法律に頼りすぎるのはダメだ。ストイックになりすぎて自由を失ってしまう。本来ならば、規律以前にできる何かがあるはずだ」と語る。

●主体としての子供とインターネット

 パネルの次のテーマとして、主体としての子供とインターネットの関わりについて語られた。まず、ヤフーの別所氏が子供が被害に会う例を紹介する。「有害コンテンツの閲覧は、意図しないで突然アダルトコンテンツなどが開かれてしまうことがある。また、チャットや掲示板などで嫌なことを書かれたり、逆に自ら発信してしまうこともある。さらに、子供向けのサイトだけを見ていても、個人情報を収集しているサイトなどで子供や両親の情報が漏洩する可能性もある」という。

 チャットや掲示板への書き込みについて、漆副校長は「事の重大性がわかってないケースがほとんどだと思う。あたかも教室内で手紙を回覧する感覚で、チャットや掲示板などに実名で書き込んでしまう。もうひとつの問題点は、教員が気が付いた段階では、すでに事態が収拾できないほど速いスピードで進んでしまう場合がしばしばあること」とコメントする。誰でも簡単に情報発信者になれるインターネットの特性が裏目に出てしまうケースだ。

 ここで牧野教授が有害コンテンツ対策のひとつとして、フィルタリングソフトを紹介。「米国ではCIPA法により、学校や図書館などの公共施設でのフィルタリングソフトの導入が義務付けられている」という。

 実際に、フィルタリングソフトを使った簡単なデモンストレーションを見た後で、崔監督は「非常に腹立たしい」と怒りをあらわにした。「フィルタリングソフトもひとつの方法としてあるのかもしれないが、子供たちを、なぜそのコンテンツに害があるのかという本質を考えさせることから遠ざけてしまっている。本来ならば、親なり教師なりが指導すべき問題を、ソフトひとつで済ませてしまおうという姿勢に怒りを感じる」と反論する。

 最後に品川女子学院の漆副校長は「フィルタリングソフトの導入に関して議論をした結果、導入しないことを決めた。理由のひとつに、学校で有害コンテンツから隔離したとしても、家庭では野放しになっていることが挙げられる。なぜダメなのかというセルフコントロールをする術を教えることの方が重要だと思う」とコメントした。

 今回のパネルディスカッションは大幅に予定時間を延長して、白熱した議論が展開された。被害に会う子供の人権を守るのは大人の役目という意見の一致は見られ、「法律や規則だけに頼ってはいけない」「子供たちの判断機会を奪ってはならない」という結論に落ち着いた。

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(2003/6/24)

[Reported by okada-d@impress.co.jp]

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