【業界動向】
~著作権侵害せずにCD所有者の権利を最大限尊重するアイディア自宅PCのMP3ファイルを出先で再生する「Muse.Net」サービス■URL 自宅のPCに保存してある音楽や動画ファイルを、インターネットを介して大学やオフィスなど出先で再生できる仕組みを提供する新しいサービス「Muse.Net」が24日、開始された。Muse.Netを提供する米Mediacode社は、NullSoft社MP3プレーヤー「WinAmp」の主要開発メンバーだったIan Rogers氏とRobert Lord氏が設立。Muse.Netだけではなく、Webサービスの仕組みを使って新たなデジタルメディア配信の仕組みを作り上げることを目標としている。 Muse.Netの利用には、Muse.Netエージェントをダウンロードして自宅のブロードバンド接続されたPCにインストール。自分のCDからコピーした音楽や動画ファイルをPCに保存しておくことで、Muse.Netエージェントはこれらのメディアコレクションを認識する。設定を済ませれば出先からMuse.NetのWebサイトに自分のアカウント名でログインするだけで、どこにいようともブラウザーを通して自分の部屋にあるMP3ファイルなどをストリーミング再生して楽しめる。WinAmpのプラグインも用意されており、出先のWinAmpを通して自宅にいる感覚でMP3ファイルを聴くことも可能だ。 オフィスや大学にいるときに自宅PCにあるMP3ファイルや動画ファイルを再生したり、逆にオフィスのPCにあるマルチメディアファイルを自宅で再生するなど、さまざまな使い道がある。 Muse.Netは、ユーザーが購入・制作した音楽や動画を再生する機能を提供するサービスであるため完全に合法であり、著作権侵害で問題とされるファイル交換サービスとは異なる種類のサービスだという。これまで自分が所有するCDでもインターネットを通して聞くことが難しく、CD所有者の権利が制限されてしまっていたが、その権利を最大限拡張することがMuse.Netの狙いだ。Muse.Netでは一度に1人のユーザーしかログインできないため、他のユーザーに自分のアカウントを公開して同時に複数の人間が音楽を聴くことはできない。ただし自分が所有する楽曲名リストなどは公開できる。 Muse.Netは無料で試用できるが、サービスを維持するために年間19.95ドルの会費を払うことが強く勧められている。会費はPayPalを通して支払う。なお、Muse.Netサービスはすべて英語で提供されている。 (2003/6/25) [Reported by 青木大我(taiga@scientist.com)] |
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