【業界動向】
米国防総省が今年秋でIPv4機器の調達を中止し、2008年にはIPv6に完全移行
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http://www.defenselink.mil/
米国防総省は、IPv4ネットワーク機器の調達を今年の秋で終了し、その30日以内にIPv6に基づいたネットワークのトライアルを開始、2008年までに完全にIPv6ネットワークに移行する。国防総省のアーキテクチャ/相互運用性担当ディレクターであるJohn Osterholz氏が、現在米国で開かれているIPv6サミットの講演で明らかにした。
Osterholz氏は「アルカイダは目立たず、高度に分散化されている。最近まで我々は同じように動く能力に欠けていたが、今やそれが重要な能力があることを理解している。彼らはネットワークを中心にしており、我々はそうではなかった。彼らの指揮命令能力は、我々にも同じ能力を持つことを求めている」と説明。この新しい動きが、テロリズムとの戦いにおいて重要な役割を果たすと指摘した。そして「現在のIPv4におけるセキュリティと柔軟性の欠如は我々の足手まといとなっている。これはインターネットが子供の宿題を解くときに十分信頼できるかという問題ではなく、子供の命を預けられるかという問題なのだ。我々が失敗すれば、人が死ぬのだ」とコメントし、IPv6へ移行する理由を説明した。
国防総省では、このIPv6のようなオープンシステムに基づく世界的なネットワークを「Global Information Grid(GIG)」と呼んでおり、これまで国防総省が進めてきた、インターネットを使用しない独立したネットワークの概念とは異なっている。年間IT予算に300億ドルを超える予算を持つ国防総省がネットワーク業界に及ぼす影響は大きいと考えられる。
(2003/6/27)
[Reported by 青木大我(taiga@scientist.com)]
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