【デジタルディバイド】
ケーブル無し、無線だけで過疎の村のブロードバンド化に成功
■URL
http://www.digitaldales.co.uk/(英文)
http://www.aramiska.com/(英文)
英国ヨークシャーのCatterick村が、電話会社による支援も受けず、結果として電話線、ケーブル、光ファイバーも引かずに、無線技術だけで村全体をブロードバンド化することに成功した。これは「Digital Dales」というコミュニティプロジェクトが様々な地元企業やビジネスマンの協力によって達成したものだ。こうした試みはブロードバンドの恩恵が受けられない日本の過疎地にも影響を与えるかもしれない。
この村はまず地元のコンピュータ企業Purple Technology社に依頼し、オランダに本社を持つ双方向衛星ISPのAramiska社による衛星インターネット接続を確立した。Aramiskaのサービスはスケーラビリティーがあり、村のインターネット利用者数が増えても帯域幅を増やすことができるメリットがある。この村の「バックボーン」に接続するために、広い村全体に点在する家々を大きめのアンテナをつけたWi-Fi技術を使って接続し、パケットがそれぞれの家のWi-Fiをたどっていくことで、どの家からも村のバックボーンに接続できるようにした。
こうした過疎の村をネットワーク化することにより地元の雇用を増やし、地域に投資を呼び込むことが期待されており、ブロードバンド化するためのコストも安く、期間が短くて済むことも注目を集めている。このコミュニティプロジェクトDigital DalesのスポークスパーソンLindsey Annison氏は「たった3カ月で初期資金を集め、村の調査を終え、設備をインストールすることができた。これは、辺境地域にあるすべてのコミュニティに希望を与えるものであり、今やすべての人にブロードバンドが提供できることを示すものだ」とコメントした。
(2003/7/4)
[Reported by 青木大我(taiga@scientist.com)]
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