【P2P/著作権】
「Freenetは著作権侵害のための道具ではない」~開発者Clarke氏コメント
■URL
http://freenetproject.org/index.php?page=index(英文)
http://de-co.info/freenet/(Freenet日本語サイト)
全米レコード協会(RIAA)が6月25日に著作権を侵害している個人を対象に訴訟を起こす準備をしていると発表したことに関連して、身元を隠しながら参加できるP2Pネットワークに注目が集まり、連日参加者が増えている様子が報告されている。その代表的な技術であるFreenetの開発プロジェクト創設者Ian Clarke氏は筆者の取材に対して「Freenetは著作権侵害のための道具ではない」とコメントし、現在の状況に苦言を呈した。Freenetで開発された技術は国産ファイル交換ソフトWinnyにも大きな影響を与えているだけに注目できる。
Clarke氏は取材に対して「たぶんFreenet上で誰が著作権侵害を行なっているのかを断定することは現実的に不可能だと考えられるが、私にとってFreenetの最終目標は言論の自由を守ることであって、人々が著作権を侵害できるようにすることではない」とFreenetの本来の目的を強調した。Ian Clarke氏は以前から中国のように政府がインターネットを検閲している国々であっても人々が自由に発言できる空間を作り上げることを目標にしており、Freenetはそうした厳しい検閲にも耐えられるだけの匿名性を確保しているとの自信を持っている。
Freenetがそれだけの匿名性を持っていることからIan Clarke氏は「Freenetが中国政府を退けることが可能ならば、レコード業界の努力を退けることも当然可能だろう」と述べ、結果としてFreenet上でファイル交換する人の身元が守られる可能性についても指摘した。
そして「コミュニケーションに関するテクノロジーが進歩するにつれて、最終的に著作権は権利を行使することがますます難しくなってくるだろう。レコード業界はテクノロジーの進歩と革新を退けるよう試みるのではなく、むしろこの変化に適応することを学ばなければならないだろう」と指摘した。
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(2003/7/4)
[Reported by 青木大我(taiga@scientist.com)]
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