【N+I 2003 レポート】
NTT東日本、DVD品質映像のP2P配信などをデモ■URL
まず「IPv4/v6対応P2Pライブ映像配信システム(仮称)」では、DVD並みの高品質なライブ映像の多地点配信を安価に提供するもの。専用STBと配信サーバー、管理サーバーを利用して、一部のクライアントのみがサーバーからの映像を受信し、他のクライアントへP2Pで映像を配信する仕組みだ。これによって、ネットワークの負荷を軽減しながら、高品質な映像配信が可能になるという。パケット再送制御や障害時の配信パス自動切換えといった機能で、映像品質の確保を行なうほか、IPSecを用いた暗号化やグループ認証によるアクセス制限で、セキュリティ確保も図れるとしている。 基本的にBtoB向けのサービスで、配信ネットワークにはフレッツIP網かLAN、WANを利用。回線はBフレッツなどの光回線が望ましいという。料金は専用STBのレンタル料とBフレッツ料金など回線料を含めて、1クライアント月額4万円を見込んでおり、今年12月からの実用化を目標としている。デモではWindows XPマシンをSTBとして利用し、大手町のサーバーからの動画を配信していた。 同様にP2Pを用いたストリーミングを、コンシューマー向けに行なうのが「GrapeCast」だ。このサービスでは、Windows Media Playerのプラグインを利用したP2P配信を行なうことで、配信サーバーへの負荷を減らしながら、多数への映像・音声の配信を可能にするもの。現在ニッポン放送のプロ野球中継や「オールナイトニッポン」のライブストリーミングが、このサービスを利用している。 このうち、野球放送では7,000人の同時アクセスを記録しているが、この時のサーバーへの接続は700~1,000人ほどで済み、残りはP2Pでの配信だったという。なお映像の場合は、サーバーへ接続する割合がやや高くなるという。現在は有料実験サービスとして提供中で、秋に本格展開を予定。料金は明らかにしていないが、従来のストリーミング料金に比べると、2分の1ほどの価格で提供できるとしている。 また秋にかけて開始するサービスとして展示していたのが、社内LANのアウトソーシングサービス「MLDC(仮称)」だ。社内の構築からサーバーホスティング、マネジメントなどをすべてアウトソーシングで提供するもので、データセンターと利用企業間を光回線で結び、従業員は社内設置のLANとまったく変わらない感覚で利用できるという。また各種機器や管理をアウトソーシングすることで、社内LANのセキュリティを確保し、保守・運用コストの削減が可能としている。料金は現在検討中だ。
(2003/7/4) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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