【業界動向】
TTCスペクトル管理SWG、24M ADSLのスペクトル適合性確認法について合意
■URL
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/index.html
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TTCの会議室で行われた第1回会合 |
TTC(情報通信技術委員会)は、7月3日、DSL専門委員会スペクトル管理サブワーキンググループ(スペクトル管理SWG)の第1回会合を開催した。24MbpsADSLなどの帯域を倍にしたADSLのスペクトル適合性確認の計算方法などについて合意が得られた。
スペクトル管理SWGは、以前は第四部門第六専門委員会スペクトラム管理サブワーキンググループとして2002年7月まで活動していたもの。情報通信審議会の報告書を受け、今回から公開で議論が行われる。
再開にあたり、リーダーには東京工業大学教授の池田佳和氏を指名した。池田氏は以前にアッカ・ネットワークス副社長、KDD(現KDDI)の役員を務めたこともある。会合では前リーダーのイー・アクセス小畑至弘取締役から経過説明があったのち、JJ100.01の第2版の作成や、ダブルスペクトラムタイプのADSLに関連した審議が行われた。
会合では8時間以上にわたる議論が行われ、途中、スペクトル適合性確認の計算結果を持ち寄る時期を次回会合としたについて、ソフトバンクBBの孫正義社長が「遅い」と指摘する場面も見られた。孫氏は今日の決定事項に基づいた計算結果の提出期限として7月7日の午前中を強く求めたが、期間が短いという意見もあり、期限は7月8日の22時と決まった。また、提出がない場合は、提出があった社の計算値をそのまま採用することとなり、異議がなければ7月9日12時にTTCのWebサイトで公開されることも決まった。
その後は計算結果が公開されたことを受けて、NTT東西が接続約款の改定を総務省に申請、約款の改定が認可され次第、各社のダブルスペクトラムタイプのADSLのサービスが開始されることとなる。
しかし、ダブルスペクトラムADSLのサービス開始時期は総務省の約款改定の認可の可否が鍵を握る状況に違いはない。計算値の公開を急ぐ孫氏の方針に対して、オブザーバーとして出席した総務省の担当者は、計算値の精査が行われていない可能性があると懸念を示す場面も見られ、ダブルスペクトラムADSLのサービス開始時期は依然不透明のままだ。
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(2003/7/4)
[Reported by 正田拓也]
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