【ソフトウェア】
暗号メールに画期的新技術? ベンチャー企業Voltageが新製品を発表
■URL
http://www.voltage.com/about/pressreleases/PR030708a.htm(英文)
シリコンバレーにあるベンチャー企業Voltageが8日、公開鍵暗号をメールでも簡単に使えるようになる画期的な新技術を使用した新製品を発表した。
公開鍵暗号は電子商取引などですでに広く使われてはいるが、メールを暗号化するといった用途には普及していない。公開鍵暗号を使ってメールを送るには、まず宛先の公開鍵を入手してからメールを暗号化して送信するという煩雑な続きが必要となるため、今回Voltageがこれを大幅に簡略化した方法を開発したことには大きな意義があると考えられる。
Voltageの製品の元となっている技術は「Identity Based Encryption(IBE)」と呼ばれる新しい暗号技術であり、これまでのような複雑な数字の羅列である公開鍵の代わりに、相手のメールアドレスや電話番号、インスタントメッセージのスクリーンネームを使用するというものだ。そのために公開ディレクトリの中から相手の公開鍵を探し出す手間が省け、暗号メールをより簡単に相手に送信できる。
もしも暗号メールの受信者がVoltageの暗号製品を使用していなかったとしても、最初にメッセージのヘッダをクリックしてVoltageのクライアントをダウンロードし、送信者の認証手続き経るだけですぐにその暗号メールを読めるようになるため、受信者があらかじめVoltage製品を使用している必要はない。
Voltageが今回発表したのは、IBE鍵を管理するための「SecurePolicy Suite」「SecurePolicy Service」、暗号メールを使用するためのソフトウェアモジュールの「SecureMail」、イントラネットなどのファイルを暗号化するための「SecureFile」の4製品。現在この英語版製品がサポートしているメールクライアントはMicrosoft Outlook、Outlook Express、Outlook Web Access、Hotmail、Lotus Notes、Eudora、Blackberry、Yahoo!Mailの7製品となっている。
(2003/7/9)
[Reported by 青木大我(taiga@scientist.com)]
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