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【回線/業界動向】

アジア・ネットコム、アジア太平洋全域の回線網を生かしたVoIPサービス

■URL
http://www.asianetcom.com/inter/index.asp?pg=japan_office&lang=jp

右からAsiaNetcom社長のWilliam Barney氏、アジア・ネットコム取締役の石井秀雄氏
 香港AsiaNetcomの子会社であるアジア・ネットコムジャパン株式会社は、企業向けVoIPサービス「キャリア・ボイス」の本格展開を開始した。アジア太平洋地域の大規模バックボーンを活かしたものとなる。

 AsiaNetcomは、米Global Crossing(2002年に経営破たん)とソフトバンク、米Microsoftが共同で1999年に設立した「Asia Global Crossing」を、中國網絡通信(ChinaNet.com)など数社が引き受ける形で2003年に設立した。Global Crossingが所有していたアジア地域の光海底ケーブル網を引き継ぎ、またChinaNetcomの中国内光ファイバーバックボーンを加えて、アジア・太平洋地域で最大級のバックボーンを所有している。このバックボーンを武器に、エンタープライズやキャリア企業に向けて、都市間接続やデータ通信、IPソリューションを提供している。

 日本で本格展開となった「キャリア・ボイス」では、時分割多重音声技術(TDM音声)とVoIPを統合し、IPVPNのネットワーク上で高品質なVoIPサービスを提供する。トラフィックポリシー運用とトラフィックシェーピング機能によって、加入電話並みの通話品質を備えるほか、加入電話網と自由に接続可能としている。同社が持つバックボーンに加え、アジア太平洋地域で唯一、IP-VPNで用途別に5つのコースを提供中という技術力を生かした展開を図るという。現在オーストラリア、香港、シンガポールでサービスを行なっており、今後韓国、台湾にも対応する予定だ。なお料金は個別相談での決定となるため公表していない。

 AsiaNetcomの社長兼CEOであるWillam Barney氏は、「日本ではKDDI、シンガポールではSingTelなど地域的な競合はあるが、アジア太平洋全域にわたるバックボーンを持つという点では、アジア域内に競合相手はいないと捉えている。キャリア・ボイスではアジアの企業を主体とした展開に加えて、欧米の多国籍企業がアジアにITコールセンターを設置する事例が増えていることから、こうしたニーズにも対応する。アメリカ・ヨーロッパでの事業も予定しているが、AT&Tと張り合うといった方向には行かず、アジアのネットワークと外を結ぶ機能を提供する予定だ」と述べた。

(2003/7/15)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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