【ワイヤレスジャパン2003 レポート】
インテル副社長講演「インテルの強みはプラットフォーム作りにあり」■URL
内容は主に、ワイヤレス通信におけるインテルの役割を解説するものになった。冒頭、シーカ氏は「歴史を振り返ると、日本はソニーの小型製品を始め、モバイルに関して最先端を走ってきた」と発言。そしてモバイル、さらにはワイヤレス通信の重要性について、「たとえば、オフィスで仕事をしながらでも、家族の顔を見たいという需要は、誰にでも、そしてどこにでもある。家庭でインターネットをして、職場でも仕事に使い、また通勤途中でも、どこでもつながっている環境というのが重要で、それはワイヤレス通信で実現できる。時代の流れからして、生活は否応なしにモバイル化している」と語った。 ●プラットフォーム作りが発展のカギ今後さらに進むモバイル化、ワイヤレス化の中で、インテルはどのような役割を果たすのだろうか。シーカ氏はインテルの優位性を「アーキテクチャのリーダーシップ」「ソリューションのリーダーシップ」「業界の成長のリーダーシップ」という、3つのキーワードで説明した。 まず、アーキテクチャのリーダーシップについてだが、シーカ氏は「インテルはコンピューティングの分野で名を上げた企業だが、サーバーからクライアント、ルーターなどの通信機器まで幅広い分野をカバーしている」と述べた。特にクライアントのCPUアーキテクチャ、Centrino、XScaleの利点を強調。その低消費電力性、802.11bをはじめとする無線通信規格へのサポートをアピールし、より小さいスマートフォン、車などのテレマティクス分野にも注力していることを付け加えた。
●アプリケーションは移植のしやすさが重要
またインテルの強みは、ハードウェアと制御系のソフトウェアを、プラットフォームとして、また総合的なソリューションとして提供していることだという。パソコン業界で得たノウハウをモバイルや通信関連にも適用し、プラットフォーム作りを進めていく方針だ。 この後、同氏は講演をいったん中断し、インテル ワイヤレス・コミュニケーションズ&コンピューティング事業本部のGary Forni氏を壇上に招き入れた。Forni氏はCentrinoアーキテクチャを採用したノートパソコンとXScaleベースのPDA、携帯電話と、それぞれのデバイスでネットワークゲーム「NeverWinter Night」のプレイを見せ、「プラットフォームを問わないネットワークコンピューティング」をデモで実演した。 最後にシーカ氏は今後の豊富として、「開発者のコミュニティを生かしつつ、ドコモやKDDIやJ-フォン(ボーダフォン)など通信業者との連携を取り、環境を開発していかなければならない。こういうことの積み重ねが新たな需要を呼び起こし、さらに会社を成長させることに結びつくのだと思う」と語り、講演を締めくくった。
(2003/7/16) [Reported by 伊藤大地] |
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