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【ワイヤレスジャパン2003 レポート】

インテル副社長講演「インテルの強みはプラットフォーム作りにあり」

■URL
http://www.ric.co.jp/expo/wj2003/program.html#a
http://www.intel.com/

米インテル ワイヤレス・コミュニケーションズ&コンピューティング事業本部 副社長兼マーケティングディレクタのアンソニー・シーカ氏
 ワイヤレス関連イベント「WIRELESS JAPAN 2003」初日の16日には、米インテル ワイヤレス・コミュニケーションズ&コンピューティング事業本部 副社長兼マーケティングディレクタのアンソニー・シーカ氏が、「通信とコンピューティングの融合を加速させるインテルのワイヤレステクノロジー」と題した講演を行なった。

 内容は主に、ワイヤレス通信におけるインテルの役割を解説するものになった。冒頭、シーカ氏は「歴史を振り返ると、日本はソニーの小型製品を始め、モバイルに関して最先端を走ってきた」と発言。そしてモバイル、さらにはワイヤレス通信の重要性について、「たとえば、オフィスで仕事をしながらでも、家族の顔を見たいという需要は、誰にでも、そしてどこにでもある。家庭でインターネットをして、職場でも仕事に使い、また通勤途中でも、どこでもつながっている環境というのが重要で、それはワイヤレス通信で実現できる。時代の流れからして、生活は否応なしにモバイル化している」と語った。

●プラットフォーム作りが発展のカギ

 今後さらに進むモバイル化、ワイヤレス化の中で、インテルはどのような役割を果たすのだろうか。シーカ氏はインテルの優位性を「アーキテクチャのリーダーシップ」「ソリューションのリーダーシップ」「業界の成長のリーダーシップ」という、3つのキーワードで説明した。

 まず、アーキテクチャのリーダーシップについてだが、シーカ氏は「インテルはコンピューティングの分野で名を上げた企業だが、サーバーからクライアント、ルーターなどの通信機器まで幅広い分野をカバーしている」と述べた。特にクライアントのCPUアーキテクチャ、Centrino、XScaleの利点を強調。その低消費電力性、802.11bをはじめとする無線通信規格へのサポートをアピールし、より小さいスマートフォン、車などのテレマティクス分野にも注力していることを付け加えた。


コンピュータの世界において、モバイル化は必然だという バッテリ持続時間とワイヤレス通信機能は必須の技術だ
アプリケーション側の発展なくしてユーザビリティの向上はない プラットフォーム作りがインテルの仕事だという

●アプリケーションは移植のしやすさが重要

インテル ワイヤレス・コミュニケーションズ&コンピューティング事業本部のGary Forni氏
 ソリューション分野に関しては、「オフライン時の機能」「シームレスな接続性」「消費電力と性能」「マルチプラットフォーム」の4つのキーワードを提示。「これからのアプリケーションにはこれらの要素のすべてが必要不可欠だ」と語り、インテルにはそれらを実現するためのノウハウや、多くのプラットフォームの根幹をなすチップを製造している強みがあると自信を見せた。そしてソリューション開発におけるゴールを、「PC向けに一度記述するだけでPDAやスマートフォンなど端末を問わず動作するプログラム」とまとめた。

 またインテルの強みは、ハードウェアと制御系のソフトウェアを、プラットフォームとして、また総合的なソリューションとして提供していることだという。パソコン業界で得たノウハウをモバイルや通信関連にも適用し、プラットフォーム作りを進めていく方針だ。

 この後、同氏は講演をいったん中断し、インテル ワイヤレス・コミュニケーションズ&コンピューティング事業本部のGary Forni氏を壇上に招き入れた。Forni氏はCentrinoアーキテクチャを採用したノートパソコンとXScaleベースのPDA、携帯電話と、それぞれのデバイスでネットワークゲーム「NeverWinter Night」のプレイを見せ、「プラットフォームを問わないネットワークコンピューティング」をデモで実演した。

 最後にシーカ氏は今後の豊富として、「開発者のコミュニティを生かしつつ、ドコモやKDDIやJ-フォン(ボーダフォン)など通信業者との連携を取り、環境を開発していかなければならない。こういうことの積み重ねが新たな需要を呼び起こし、さらに会社を成長させることに結びつくのだと思う」と語り、講演を締めくくった。

PDAで「NeverWinter Night」をプレイ サムスン製のスマートフォンで同じゲームをプレイ

(2003/7/16)

[Reported by 伊藤大地]

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