【調査】
ユビキタス認知は3割弱、セキュリティの不安感じる向きも~矢野研調査より■URL 株式会社矢野経済研究所は、「ユビキタス・コンピューティングに関する調査」の結果を発表した。ユビキタスの認知の男女差や、期待されている事柄などをまとめている。 調査は今年5月~7月にかけて行なわれたもので、Webを利用した消費者へのアンケート調査と、各種情報通信機器メーカーへのインタビューを実施し、その結果をまとめたものだ。アンケートでは関東圏に居住する20~40代の男女667名に回答を依頼し、282名からの回答を得ており、回収率は42.3%。うち男性が147名、女性が135名の構成となる。 主な調査結果では、まず“ユビキタス・コンピューティングの認知度”について、「知らない」と回答した人が45.7%と、全体の半数近い。一方、「知っている」と答えた人は、「よく知っている」(8.5%)と「なんとなく知っている」(19.9%)を合計しても28.4%。ユビキタスの認知度はまだまだという現状がうかがえる。 認知度を男女別で見ると、女性は「知らない」と答えた人が63.7%と、割合がぐっと高くなる。同様に、女性は「よく」(1.4%)と「なんとなく」(12.6%)を合わせても「知っている」との回答は14%と、男性の40.1%に比べるとかなり低くなっている。 “ユビキタス・コンピューティング社会に感じる魅力”の設問では、「多様なユーザーが使いやすい端末の実現」との回答が最も多く、27.7%。次いで「個人に最適なサービス等の柔軟な利用」(20.6%)、「ストレスのない柔軟な通信環境の実現」(15.2%)が挙がっている。一方、“ユビキタス・コンピューティング社会への不安な点”では、「個人情報の漏洩やプライバシーの侵害」(32.6%)のほか、「ネットを利用した犯罪等の増加」(24.5%)、「人間の能力の低下」(11%)と続いている。 また“ユビキタス・コンピューティング社会に対する期待”では、「時間をかけながらであれば賛成」(36.5%)が最も多いが、「なんとも判断できない」(29.8%)、「あまり賛成しないが仕方がない」(19.1%)など、消極的な意見も目立つ。 矢野経済研究所では、男性の認知度の高さなどを踏まえて、ユビキタスの概念は、一般のコンシューマーに与える影響より、ビジネスの期待のほうが大きいのでないかと分析。またプライバシーやネット犯罪への不安を感じる回答が多いことから、ユビキタス環境におけるセキュリティ対策が、普及への重要な課題になるとしている。 (2003/7/25) [Reported by aoki-m@impress.co.jp] |
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